名古屋グランパスのGK楢崎正剛(34)が13日、来月11日に公開される映画「あしたのジョー」応援団の名古屋支部長に就任し、矢吹丈役で主演する俳優の山下智久と、名古屋市内のホテルで対談した。楢崎は昨季、フル回転でチームの初優勝に貢献し、JリーグのMVPにも選ばれた。現在はオフで休養中だが、異分野で活躍するスターに、刺激を受けていた。
楢崎は、「あしたのジョー」を応援するに当たって、DVDを何度も鑑賞した。映画の面白さもさることながら、プロのアスリートとして、自然と目を奪われたのが、ボクサーの矢吹丈を演じた山下の研ぎ澄まされた肉体だった。役作りのため、体重を10キロ近く落とし、体脂肪率5%のアスリートの肉体をつくり上げた過程に興味津々。気が付くと、どんなトレーニングをし、食事はどうしたのかと、次々と質問をぶつけていた。
プロのトレーナーに付いて3カ月、厳しいトレーニングを積み、野菜や脂肪分の少ない鶏肉、プロテインなどの食事を続けたという答えに、「完全に、ボクサーの体形になっていた」と、役者魂に感心しきりだった。
ほかの出演者とともに、役作りから真剣に取り組んだ舞台裏の話を聞いて、楢崎は、「映画には、1つのことを成し遂げた後、みんなで喜べるというスポーツの良い部分が含まれている」と、共通点を見いだした。昨季の初優勝で、自身も初めて、その喜びを味わうことができた。「ああいう瞬間を味わうために、しんどい練習もやってこれた」。ことしの目標を聞かれると、迷わず、「ジョーに負けないように大活躍したい。また、チャンピオンになりたい」と答えていた。
昨季、楢崎は、チーム唯一のJ1全34試合フル出場を果たし、大黒柱として、クラブ史上初のJ1制覇をけん引した。オフシーズンの今は、疲労回復に努めている。この日の対談で、アスリートとしての熱い思いが呼び起こされた。「早く練習したくなった。シーズン開幕が待ち遠しい」。はやる心を抑えて、今月20日過ぎに始動する。まずは、来月1日に再開する全体練習に備えるつもりだ。 (伊東朋子)
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