フェリーあざれあ・フェリーしらかば (敦賀〜新潟〜秋田〜苫小牧東)
 【新日本海フェリー株式会社】
 評価:★★★★
日本最大!2万トン級の大型フェリー


         フェリーしらかば(新潟港)
新日本海フェリーが誇る日本最大、2万トンを越えるフェリー。新造船を次々に就航させる同社のなかでは最古の船となってしまったが、まだまだ船内は綺麗でよく手入れされており、本年ドックにてエレベーターを新設している。南行の苫小牧東〜秋田間、北上の新潟〜秋田間は夜行便として利便性が高い。景色を楽しみたい人には昼間の津軽海峡を横断する北上便をお勧めする。昨年に引き続き、11月からは利用の少ない新潟〜敦賀間が週1便減便になり、週2便となる予定。

平成6年就航。総トン数20500トン。
(利用時期:平成21年10月)
 Cabin〜船室は快適か?
等 級  設備・感想など
スイート
ルーム
・バス、トイレ、冷蔵庫付きのダブル。専用テラス付き。
・船橋すぐ後ろにあるので荒天の日はよく揺れそう。
・船内配置図を見たところ、どれもベッドがつながったダブルタイプ。4部屋もあるなら、そのうち2部屋はベッドが離れたツインタイプにすれば良いと思う。新婚ほやほやの夫婦ならともかく、夫婦やカップルでもベッドは別がいいというニーズもあると思うが。
・大幅に値上げされてグリルでの食事付きとなった。個人的には「食事をサービス」ではなく、食事の「押し売り」のような感じがする。
特 等 ・バス、トイレ(温水便座)付きのツインルーム。テレビ、インターホン付き。
・ゆかた、スリッパ、歯ブラシ、せっけん、バスタオル、茶器セット(ポットは電動)、ティッシュペーパー、丁寧な案内冊子がある。ユニットバスには据付型のリンスインシャンプーあり。
・ベッド幅は90cm、寝具はふとん。
(以前は毛布だったが改善されていた!)
・空調の調整は室温で調節可能だが効きにムラがある。冷暖房の切り替えは不可。放送音量の調節可能。
・カーテンの遮光性が高いので昼寝にも快適。
・ユニットバスの水圧がイマイチだった。
・4部屋と数は少ないが和室もある。
1 等 ・4人部屋(2段ベッド)と2人部屋(ツイン)と和室(2〜3名部屋)の3種類がある。
・設備は洗面台、テレビ、ビデオ、インターホン。
・備品はゆかた、スリッパ、せっけん1個、タオル、歯ブラシ、茶器セット(ポットは電動)、ティッシュペーパー案内冊子。タオルを持ち帰らないように注意書きがあるのが貧乏臭い。
・ツインのベッド幅は80cmと狭い。寝具は布団に改善されていた。
・空調は室温で調整可能なのだが、特等同様で冷暖房の切り替えは出来ないとの事。
・内側に位置するツインルームの1等室は、船の中央にある採光用の吹き抜けに面しているので、採光窓はあるが外の景色は見えず、向かいの部屋が見える構造となる。1等に乗るならツインは避けたほうが良い。アウトサイドにある和室がお勧めである。
2等寝台 ・窓無しの2段ベッドの部屋。寝台幅80cmでベッドメイクはセルフサービス。
・すいていた時に覗いてみたが、ベッドパットやマットに汚れが目立つ。
2 等 ・窓付き、ドア付きの大部屋(枕、毛布付き)。
・敢えて室内にテレビがないのは良い配慮。(相部屋の船室にはテレビはないほうが良いと考える。)
・行き先別に部屋割りされており、その中で自由席。全部の部屋を使用せずに「閉鎖」の表示がある。
※個室には会社のロゴマーク付きのオリジナルゲロ袋がある。案内所にあるのはビニール袋。
特 等(洋室) 1 等(4人部屋)
(写真提供:RUMI様)
1 等(和室)
1 等(ツイン) 2等寝台 2 等
 Public Space〜営業施設・公室は充実しているか?
公室名  設備・感想など
案内所
エントランス
・深夜はインターホンを残して閉鎖される。営業時間中でも呼び鈴を残して奥に隠れて何かしている事が多いみたいで、用事があっても声をかけにくい雰囲気だった。
・救命浮環に「乗船記念」と記した記念撮影コーナーがあるのはとても良い試みかと思う。
売 店 ・レストランと兼任するからか、時間が被らないように開いたり閉まったりする相変わらずの新日本海方式。困ったものです。
・商品は土産やオリジナルグッズは豊富なのだが、食事になるものは徹底的に排除されていた。
・割り箸が1膳20円もする。
・使い捨てスリッパ150円で販売。誰が履いたかわからない不潔そうな個室のスリッパよりも良い。(以前の不潔そうなレンタルスリッパは廃止されていた。)
自動販売機 ・ジュース120円。ビール(小)250円、ビール(大)330円。
・カップラーメンは扱ってないが冷凍食品とアイスクリームの自販機がある。
アルコールの自販機は23時〜5時まで販売停止で著しく不便。
レストラン ・朝1000円、昼1200円、夜1800円と全食バイキング。(夜が値上げされていた。)
・見事に冷凍食品のオンパレードで、数点の創作メニューといった感じ。(ちゃんちゃん焼きなど?)
・HPによるとカフェテリアやセットメニューに変更する場合もあるとの事。客が少ない場合?
・一時期、全席禁煙だったのだが、ドライバー様達の強烈な苦情に負けたのか?、壁で区切った喫煙席が新設されていた。
・営業時間が1時間と短くてゆとりがないのだが、ラインの料理を下げる前には残っている客全員に声かけがあったのは良い。
・食事中と終了の札をそれぞれに渡されるので、1人でも席を立っている間に片付けられる心配がない。これはとてもいいアイデアだと思うので、バイキングを導入している他社でも真似してほしい。
大浴場 ・展望式。シャワーの水圧、水温は良好だった。
・ボディーソープ、リンスインシャンプー付き。洗い場10ヶ所。
・脱衣場には100円玉返却式コインロッカー、ドライヤー、テッシュペーパー、体重計が設置されていた。
・深夜は閉鎖される。開放時間は以前と比べてかなり緩和されているが、南行の秋田下船前にも利用できるように改善してはどうだろうか?
・浴室の入口には防犯カメラ監視中との警告と、それらしいカメラ(本物かどうかは不明)が天井にある。
カフェ
ラウンジ
・カウンターでうどん(600円)やカレー(700円)などの軽食を販売。それ以外はフリースペースとして開放されていた。レストランと営業時間が同じで、調理場がつながっているようで兼務していたようだ。
・バイキングは量が多すぎて嫌とか、ちょっとだけという人向けの営業。
フォワード
サロン
・案内冊子によると、「広がる水平線や、地球の大きさが実感できる・・・」とあるが冬季(というか夏季以外?)は窓に波浪対策?の為か鉄板のカバーがかけられて何も見えない。利用した日はまだ10月だというのに早々と閉鎖!
・閑散期なら静かに読書などが楽しめそうだが、繁忙期は2等客が居座って動かない気がする。
・深夜は施錠される。開放時間の表示がほしい。
・ちなみにここは禁煙で、1階下には喫煙可能な「スモーキングルーム」がある。
ビデオ
シアター
・古い映画上映がある。椅子が良くないので疲れやすいか?
プロムナード ・4階(A甲板)の両舷には「プロムナード」(いわゆる展望通路)があって、ソファー、テーブルがあって海を見ながらくつろげる。以前は片舷は喫煙可だったのだが、両舷とも禁煙になったようだ。
・朝(秋田)はモーニングセット350円で販売。(パンとコーヒーのみ)
トイレ ・和式中心で洋式も併設。お願いだから洋式にシートペーパーか便座除菌クリーナーを設置してほしい。
・時刻と点検者名を記入するだけで、エクセルが苦手な人が苦労して作ったという感じのセンスのない「点検表」が掲示されていた。
ロッカー ・エントランスに100円玉返却式コインロッカーあり。
公衆電話 ・テレホンカード、クレジットカード両方あり。
給湯・冷水 ・給湯器、冷水器あり。給湯器は大繁盛!?清潔感に欠けるあやしい共用のコップ、湯呑がある。
分煙の状況 ・以前、チルドレンルームのあった(と思う)場所が隔離された喫煙コーナーに改造されており、公室、個室を含む客室は全て禁煙となった。はっきり言ってやりすぎ、厳しすぎかと思う。
その他 ・エントランスにはエレベーターが新設されており、1等ツインが1室減っていた。
・船尾デッキには「ジャグジー」「サウナ」があり、その隣に「スポーツルーム(卓球)」がある。水着や道具類は案内所でレンタルしている。他の乗客の視線が気になりそう。(夏季限定?)
・ 「ビデオルーム」は2等の乗客でもレンタルビデオが利用できる小さな部屋らしい。
・他、「コインランドリー」 「チルドレンルーム」 「ゲームルーム」 「宴会場」などがある。
エントランスホール カフェラウンジ プロムナード
レストラン フォワードサロン ビデオシアター
 Infomation〜船内案内・感想など
乗船名簿は何枚も複写になったお金のかかってそうなものなのだが、利用者側の立場では書き辛いいと感じる。港の地名がずらずらと並んでいてかえって見難くてわかりにくく、シンプルに「区間  から→  まで」と空白にしておき客に書かせた方がいいのではないかと感じた。

2等、2等寝台の通路の手摺を物干し竿と勘違いしてタオルを干すマナーの悪い客が非常に多く、新日本海フェリー定番の風景になりつつあると思う。乗客のマナーの問題なのだが、船会社側でもタオル等を干さないように手摺に掲示をしたり、注意喚起の放送をするなどして対策をお願いしたい。

新日本海フェリーでは閑散期に限って個室の貸切料金が不要になった。利用者としては嬉しい改善なのだが、この会社の客層を考えると船室の不正利用が多発しそう。正直に運賃を払った人が損することのないように対策をお願いしたいと思う。この会社の場合、閑散期でもある程度の料金を課し、貸切料金の値下げという形の方が良いような気がする。(例えば使わない1席当たり1000円増しとか)

上記の運賃改訂と同時に季節別の運賃を強気に設定し、お盆前後は大幅な値上げとなった。お盆運賃である期間Cに至っては往復割引や学割すら適用外とする強気の設定。繁忙期には利用しない私にとっては賛成。余計なお世話かも知れないが、お盆運賃(期間C)はあまりにも高すぎるので、他の交通機関に客が流れないのか心配。年末年始や大型連休は期間Bに値上げしてもいいと思う。

閑散期の個室貸切料金を免除、スイートは食事付き運賃、この便では全食バイキング、オリジナルゲロ袋の導入、自販機のビールを市価に値下げ・・・。なんだかどこかの会社の影響を受けて真似ばかりしているような気がするのは私だけ?まあ、客にとっては良い事が多いので歓迎。でも従業員の接客レベルや人数が圧倒的に少ないので・・・以下略。

アルコール類の自販機価格が、夜間23時〜5時まで販売中止となっていた。売店が閉まるとアルコール類は船内では一切購入できなくなる。この時間帯であると入港下船前には堂々と購入できるのだから飲酒運転の防止には全く役にたっておらず、単に不便で売り上げが下がるだけ。冷蔵庫のある個室はスイートだけなので持ち込みも難しい。車にクーラーボックスを積んで客室に持ち上がる位しか対策はないが、重いクーラーボックスを狭いカーデッキと階段を通って持ち上がるのは面倒だなあ。夜間販売中止される位なら以前の割高価格でも販売してくれた方がいいと思う。

以前は、売店ではオリジナルカップラーメンや長期保存ながら菓子パンなど、利用者側にたった商品も販売していたのだが、今回は一切見当たらなかった。食事になるものは徹底的に排除されており、兵糧攻めで強制的にレストランに誘導しようとする態度がみえみえで、昔に逆戻りしたような感じがした。こういう事をやったら消費者は事前に陸上で購入して持込みするようになって逆効果だと思うのだが。

新造船を次々に就航させる新日本海フェリーのなかでは最古の船となってしまったのだが、デッキやハンドレールなどが驚くほど綺麗に手入れされていた。絨毯の張替えもなされており、船齢を感じさせない程よく整備されていた。高齢化社会に備えてか、エレベーターまでわざわざ新設しており、まだまだ永く大切に使う意図を感じる。どこかの錆だらけの他社船も見習ったらどう?

入港までかなり時間のある時期から(1時間以上も前)案内所前からコインランドリーへの通路を封鎖、また大浴場前の階段を施錠して通行できなくしていた。部屋の鍵回収や部屋からの追い出しがやたらと早く、早々と下船までロビーで待たされる。

レストランの営業案内の放送で「浴衣姿はご遠慮」というくだりが気に障る。(しかも毎回必ず言う)高級ホテルじゃあるまいし、船内での浴衣を禁止するような洗練された空間ではないと思うが。

出港時には地上の作業員たちが船に手を振って見送っていた。ちょうど空港で整備の作業員たちが離陸する飛行機に手を振って見送るような感じで、手を振りながら船が前進をはじめると最敬礼で見送る。乗船客への感謝の気持ちと、安全航海を祈る気持ちの現れのような気がして、とても気持ちが良かった。

個室の窓の外は外部デッキで人がおり、個室内が覗けるようになっている。部屋にいる立場としては、せっかく窓があるのにカーテンを全開できずに嫌なので、個室の前のデッキは柵を設置して常時立入禁止にしてほしい。


悪名高い内側窓付きの1等ツインは部屋は狭いしカーテンを開けると海ではなく向かいの部屋が・・・・。区間乗船なら我慢できたが、フル区間乗船にこの部屋は辛いかと思う。4名部屋に窓があるのは良いとして、同じ1等2名部屋なのに、和室がアウトサイドの窓付き、ツインが内側では著しく不公平である。その一方、2等に窓があるというのはおかしいのでは?アウトサイドの部屋は等級順(つまりお金を払った順!)に配置してほしい。

港で配布しているパンフレットの質が悪いしセンスがない。新潟〜小樽と苫小牧〜秋田〜新潟〜敦賀の総合版で、情報が物足りない。船室の写真は各等級で最も美しく見えると思われる船のものだけしかない。フェリーしらかばの1等ツインに至っては窓があるように錯覚してしまうし、実際はベッドメイクしていないのにホテル風にベッドメイクされている??また、多くの写真がモデルさん中心でいわゆるイメージ写真のような感じである。船の外見の写真はとても小さくてよく見えない。

個室には船内案内の冊子があり、詳しくて良いと思うのだが、施設の紹介文については特に閑散期に乗ると「?」と思うような嘘ばかりで歯の浮くような記述が目立つ。また、秋田港外で姉妹船と反航するとの記載はあるが、放送による案内等は一切なく、いきなり汽笛を鳴らして行き合っていた。せっかくの見所なので案内しては如何?

平成13年10月より、就航航路が 苫小牧東〜秋田〜新潟〜敦賀 に変更された。新日本海フェリーでは、HPで等級別の空席状況がわかるので便利なのだが、この寄港する航路については謎が多い。例えば、同じ便なのに、苫小牧から秋田までは特等が満席で×印なのに、新潟までなら〇(空席あり)、敦賀までなら△(残りわずか)など、ばらばらなのである。新潟まで部屋が空いているのに、どうして秋田まで空いていないの?おそらく、行き先ごとに部屋の枠を決めてしまっているからとは思うが、柔軟な対応はできないものか?

上記にも関連するが、HPの空席照会を見る限り、近距離区間ではスイートと特等の(繁忙期は1等すら)枠がはじめから設定されていないのでは?と想像できる。つまり、発売日に徹夜して並んでも絶対に買えないという事?最初から発売する気がないなら、時刻表やHPで正直に「この区間では取り扱いできません」と明記すべきと思う。発売していない運賃を公示するのは如何なものか?
   船 室 構 成 合 計
スイート  洋室2名×4室 8名
特  等  洋室2名×26室  和室2名×4室 60名
1  等  洋室2名×29室 和室2名×20室 和洋室4名×20室 178名
2等寝台  洋室24名×12室 42名×1室 330名
2  等  和室16名×18室 288名
ドライバー室  1段ベッド10名×6室 60名
 更新履歴
H18.10.02 船体写真、船内写真等を差替え。他、大幅に更新。
H19.11.03 1等4人部屋、和室、2等寝台の写真追加。他、サービス体制の確認。
H20.10.03 写真の一部を差し替え。
H21.10.25 1等ツインの写真を差し替え、他は若干の修正、加筆のみ。

もどる
トップページにもどる
新日本海フェリー(株)のHPへ