らいらっく・ゆうかり (新潟〜小樽)
 【新日本海フェリー株式会社】
 評価:★★★★
バリアフリー設備が自慢の人に優しいフェリー


            ゆうかり(新潟港)
新日本海フェリーの新潟〜小樽間に就航。夏季は関東から旅客も多い。「らいらっく」が先に就航し、数ヶ月差で姉妹船「ゆうかり」もデビューする予定だったが、何かトラブルがあったのか、就航がかなり遅れた。船内の通路を広くしたり、段差を少なくしたり、バリアフリー専用の客室を設けるなどの配慮が自慢。特等AとS寝台という等級が新設された反面、「すずらん、すいせん」では無くなった悪名高き1等内部屋が復活。まだ船齢が若いので清潔で美しいが、内装のコストダウンを感じることは否定できない。

平成14年就航。総トン数18200トン。
(利用時期:平成20年4月)
 Cabin〜船室は快適か?
等 級  設備・感想など
スイート ・バスルームを海側に配置したツインルーム。以前まで新日本海フェリーのスイートはベッドがつながったダブルだったのだが、本船ではツインタイプのようだ。
・部屋の位置が船体中央の揺れの少ない位置にあるのが良いと思う。
・グリルでの食事抱き合わせの運賃になり大幅に値上げされている。
特等A ・バス・トイレ付きのツインルームで専用テラスがある。
・テレビ、インターホン、目覚まし時計、茶器セット、浴衣、スリッパ、バスタオル、フェイスタオル、歯ブラシ、せっけん、据付型リンスインシャンプー、ティッシュペーパー、船内案内冊子が用意されている。
・放送音量の調節可能で、空調は室温までセットできる完璧なもの。
・ベッド幅は90cmで寝具は布団で快適。カーテンの遮光性は高いので昼寝も快適。
・テラスにはデッキチェアー等は一切なく、冬季は強風であまり利用できないかと思うが、サッシが大きな窓となるので開放感がある。
特 等 ・バス、トイレ付きのツインまたは3人定員の和室で従来船の部屋と同様。
・船内図によると、面積の広い部屋が2部屋(503・508号室)あるが、バリアフリー用の部屋のようだ。(一般客が入室できるかは不明?)
1 等 ・悪名高い海が見えない内側採光窓付きのツイン、海側の窓付き4人部屋、海側窓付き和室2〜3名部屋の3種類となる。
・1等なのに外が見えないツインルームはお勧めできない。2人利用なら和室がお勧め。
・テレビ、インターホン、目覚まし時計、茶器セット、浴衣、スリッパ、タオル、せっけん、ティッシュペーパー、船内案内冊子が用意されている。このクラスの部屋としては珍しく歯ブラシがない。
・放送音量の調節可能で、空調は特等と同様の完璧なもの。
・ベッド幅は80cmと狭いが寝具は布団で快適。
S寝台 ・16名または20名区画内で、カーテンで1人に区切れる1段ベッド。寝台幅80cmで寝具はシーツ付きの毛布。以前はベッドメイクはセルフサービスだったのだが、今回はベッドメイクされており、改善されていた。
・照明が暗く、他の人のいびきが聞こえてくるので、いまいちな感じ。狭くても、阪九フェリー新船やシルバーフェリーのドライバー室ようにドアを付けて部屋としてほしかったと思う。
2等寝台 ・ごくふつうの2段ベッド。柔らかい枕、毛布、シーツ2枚付きでベッドメイクはセルフサービス。窓なし。
2 等 ・12名部屋のじゅうたん敷きの部屋で枕、毛布付き。部屋数は多いが乗客が少ないと全ての部屋を開放してくれず、閉鎖している。少人数の2等はかえって相部屋感覚が強くて辛いような気がする。
※個室も含めて客室内は全席禁煙と厳しい。
特等A 1 等(内側ツイン) 1 等(和室)
S寝台 2等寝台 2 等
 Public Space〜営業施設・公室は充実しているか?
公室名  設備・感想など
案内所
エントランス
・「案内所」ではDVDやシーツやバスタオルなどのレンタルが利用できる。バスタオルのレンタル(100円・保証金1000円)は便利だと思う。夜間は緊急用インターホンを残して閉鎖される。
・以前たしかチルドレンルームだった場所を改造して喫煙室としていた。
・回覧用の新聞の用意あり。
・100円玉返却式のコインロッカー、携帯電話充電器(有料)あり。
・「ビジネスコーナー」という机が3つ並んだだけの場所があるが、何が出来る訳でもなく単なる机コーナーである。そもそも本船にビジネスマンが乗船しているとは思えないのだが?
・記念撮影用の救命浮環型の看板と船長服の無料貸出しあり。
自動販売機 ・ジュース120円、ビール(大)330円、ビール(小)250円。ビールは若干の値上げとなった。
・飲み物の他、アイスクリームあり。他の船には冷凍食品があったが本船にはないようだ。
・ドライバー室の価格は厳重に立入禁止の掲示がなされていたので確認できず。
レストラン ・昼、夜ともカフェテリア式だった。この会社は最近、季節や航路によって営業方針をよく変更しているように感じる。
・昼のメニュー例:カレーライス700円、ラーメン700円など。
・夜のメニュー例:とんかつ400円、肉じゃが400円、刺身各種420円、ライス180円、味噌汁100円、一品料理400円〜など
・ドリンクバー200円(専用のコップを渡すらしいが機械が従業員の死角にあるので・・・では?)、生ビール自販機500円
・喫煙席が仕切りを設けて新設されていた。
・何を気取っているのか、ゆかた姿、下着姿での入店は駄目らしい。交通機関であるフェリーなのだから、リラックスして食事をしたいものだが・・・
グリル ・冬季間のためか、休業であった。
カフェ ・軽食やデザート類を販売。レストランの営業時間帯と微妙にずらして営業。
・番号札を渡され、商品が出来たらマイクで呼ばれる。
・営業時間外でもテーブルは自由に使え、窓もあって明るいので人が集まっていた。
・メニュー例:カレーライス700円、うどん600円、スパゲティー650円、ラーメン700円、生ビール500円、ソフトクリーム300円など。
売 店 ・相変わらず細切れで開いたり閉まったりの新日本海方式。食事に代用されそうな商品はなくレストランやカフェと競合しないようにした意図を強く感じる。
フォワード
サロン
船首側には「フォワードサロン(禁煙)」と「スモーキングルーム(喫煙可)」があるが、冬季は波浪対策?のために鉄板が付けられているため何も見えない。閉鎖期間はかなり長いようだ。閉鎖するならするで、その旨の掲示がほしいところ。「鉄板サロン」と呼ぶとよい。(夏場でも鉄板だったという情報も???)
大浴場 ・サウナ付きの展望式。洗い場は16ヶ所。シャワーがしばらくすると勝手に止まるタイプなので使いにくい。(出しっ放しにできない)
・シャワーブースが2つあるが、カーテンを付けたらどうだろうか?
・名の通ったメーカーのボディーソープとリンスインシャンプー備え付け。
・以前はなかった脱衣場に100円玉返却式のコインロッカーが設置されていた。ドライヤーあり。
・利用時間は乗船時から22時までで終了。早朝もシャワー限定でも良いので開放して欲しい。(小樽港の展望風呂の売り上げ妨害になるから無理か?)
・女性用のみ入口に監視カメラあり。(実は女性用のみ目立つようにしているだけで、男性用にはわからないように隠しているのかも?)
トイレ ・洋式のみ。新たに温水便座が設置されていた。シートペーパーや除菌クリーナーは一切ない。
ランドリー
コーナー
・新日本海フェリー独特の設備であるコインランドリーが男女別になった。女性にとってはのぞきや盗難の心配が少なく安心して利用できるようになったと思う。(入口に監視カメラがある)
公衆電話 ・テレホンカード専用、クレジットカード専用の両方あり。
給湯・冷水 ・給湯器、冷水器あり。怪しい共用のコップがあるが、使わない方が賢明。
※その他の設備
ビデオシアター、ビデオルーム、チルドレンルーム、スポーツルーム、ゲームルーム
エントランスホール フォワードサロン レストラン
カフェ プロムナード 大浴場
 Infomation〜船内案内・感想など
(NEW)新潟港の乗船口には、本日のスタッフとして船長、機関長、パーサーが顔写真付きで掲示されていた。他社で船内に掲示している事へ刺激されたのだろうか?ただ、他の港や船内では全く見受けられなかったので、おそらく新潟港の営業所独自の取り組みだと想像する。せっかくいいものを掲示するならターミナルよりも船内に掲示した方がよりPR度が高まるので良いのではないかと考える。

(NEW)小樽のターミナルには部屋写真と運賃が大きく掲示されている。(新潟行きの2等寝台の写真が間違っている。窓があるのでおそらくドライバー室?)新潟港で掲示されていたものとは違う写真なので、小樽港独自の取り組みかと思う。部屋写真をPRするのはとても良い事だと思うが、ホームページやパンフレットでのPRが著しく不足していると感じるので、そっちも充実させて欲しい。

(NEW)船室のテレビと乗船時のビデオシアターでひたすら救命胴衣の着用方法を流していた。内容は女性従業員が着用方法を説明するだけの短いもので、それがエンドレスで流れるのでくどい。せっかくなので船内や客室の紹介や他の注意事項なども一緒に流してはどうかと思う。

(NEW)通常時期の個室の貸切料金が不要となった。例えば1人で1等4人部屋の利用も可能。インターネット予約では問題なく指定できるが、電話では1人では断られたという情報も?会社としてどちらかに統一すべきではないかと考える。利用者としては実質的な値下げで率直にとても嬉しいのだが、会社側の善意を悪用する人も少なからずいる筈なので、若干の追加料金や予約時に1人で4人部屋の占有は規制するような制約があってもいいのではないか。

船室の配置に激しく不満あり。ツインの1等室がインサイドで内窓しかなく外が見えないのに、2等が全てアウトサイドなのである。2等寝台、S寝台は完全な内部屋。本来、安いのだから不自由があっても仕方ない2等には窓があってが優遇されるとは如何なものか?「すずらん」、「すいせん」のように、上等級を全てアウトサイドに配置して、2等と2等寝台を内部屋にするべきと考える。(相部屋である下等級を内部屋とすれば携帯電話の電波を遮断できるので船室の静寂を保てるかと思うが?)1等を利用する場合は内側ツインは避けた方が良い。

朝が早すぎて早朝というより未明、深夜の到着となるのが欠点の新日本海フェリーの小樽朝着便。
トラック重視のダイヤであるので仕方ないのだが、徒歩の場合は下船した日ずっと眠くて時差ぼけ状態となる。せっかく豪華なフェリーが就航しているのに、早朝というより深夜の入港に抵抗があるので、どうしても敬遠してしまう。小樽着で徒歩限定でもいいので始発電車の時間まででも船内休憩できたらいいな・・・と思う。利用するなら小樽から新潟行きの方が朝が楽なので良い。

船室の案内冊子にはアンケート用紙が入っており、苦情など都合の悪い記載を現場で処分されないようにか(?)郵便で会社に送る方式となっている。(しかも郵送料は会社側負担)また、船名を誤魔化せないようにゴム印で船名を押すという徹底ぶり。

首都圏から北海道へのフェリーでのアクセスとしてお勧めの航路。首都圏からだと大洗に目がいくと思うが、高速道路を走れば新潟は意外と便利。また、旅客サービスも大洗からの会社より良い。徒歩の場合でも池袋からの高速バスを利用すれば格安で北海道へ移動できる。

平成19年度冬季のドックダイヤでは、新潟〜小樽航路を大幅に減便して、苫小牧東港〜秋田〜新潟〜敦賀への寄港便に「らいらっく」「ゆうかり」も就航する変則的な配船となった。この際、特等AとS寝台は通常の設定のない区間は発売していなかった。通常は利用しにくい西日本在住者にとっては乗船のチャンス?

新日本海フェリーのHPでインターネット予約が出来るのだが、割引があるわけでもなく、何のメリットも無い。強いて言うなら事前に決済が必要な繁忙期に限り旅行会社等でクーポンを購入しなくても自宅から決済できる事ぐらい。それ以外の時期は電話で予約して当日購入でよいので、インターネット予約でカード決済してしまうとキャンセル料のリスクが発生するので危険。わざわざ事前に決済するのだから、少しでよいので割引や船内での食事券等の特典がほしいと思う。

利用した日の客数はあまり多くなかったようだが、姉妹船との行き会い(かなり離れていたけど・・・)の案内があり、船長からの簡単な挨拶の放送もあった。また、女性従業員の放送はさわやかで好感。以前に比べてソフト面でのサービスは向上していると感じた。
   船 室 構 成 合 計
スイート  洋室2名×4室 8名
特 等 A  洋室2名×20室 40名
特  等  洋室2名×6室 和室3名×4室 24名
1  等  洋室2名×30室  洋室4名×24室 和室3名×20室 216名
S 寝 台  洋室16名×1室 20名×1室 36名
2等寝台  洋室24名×10室 240名
2  等  和室12名×22室 264名
ドライバー室  1段ベッド 8名×8室 64名
 更新履歴
H18.11.01 大幅書き直し、案内冊子の「CRPポッド推進器」に関する記載を改善されていたため削除。
H20.04.28 サービス体制の確認と若干の加筆。

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