市条例で暴力団員の入居が禁じられている北九州市営住宅に、指定暴力団工藤会系組員計18人が市側の退去要請を拒むなどして、住み続けていることが13日分かった。福岡県警などによると、18人には、市から推薦されて昨年の国勢調査で調査員を務めた組長も含まれている。
市によると、2008年2月、暴力団員の入居を禁止する改正市営住宅条例が施行されて以降、市営団地(421カ所)に暴力団員46人が居住していることを確認。このうち市側の要請を受けて24人が退去し、4人が組から脱退した。
残る18人のうち5人は「近隣に迷惑をかけていない」などとして退去を拒否。個別の説得には時間を要するため、最後の13人についてはまだ面会に至っておらず、今後手続きを進めるという。
改正条例では、市営住宅に入居する暴力団員に市と警察の担当者が会って、退去か暴力団からの脱退を要請。応じない場合は文書で勧告する。さらに、近隣の民間住宅並みに家賃を上げたり、明け渡しを求める訴訟を起こしたりすることができる。
市営住宅の家賃は収入などによって設定され、平均で月約1万9千円。入居者募集時の競争倍率は09年度で11・6倍。
=2011/01/13付 西日本新聞夕刊=