国内航路 乗船ガイド
 注 意!
この項で紹介する内容は、正確を期していますが、会社や時期によって異なる場合や変更されている場合もあります。あくまで参考程度とし、重要な事項についてはご自身で確認してください。
万一、不都合や不具合が生じても、その責任は負い兼ねますのでご了承ください。
ふつうに暮らす人にとってフェリーや旅客船の利用は、日常からかけはなれたことなので、なかなかその手順を理解している人は少ないものです。ここで、簡単にまとめてみました。詳細については会社ごとに微妙な差があります。これはおおまかな流れですのでご了承ください。
@下調べ
乗ろうとする航路・船について、運賃や時刻、予約方法などを調べましょう。時刻表やフェリー会社のHP、また直接電話で聞くのも良いでしょう。ターミナルや予約センターへ行けばパンフレットも手に入ります。
船室、割引運賃、普通でない車輌(低床・キャンピングカーなど)、ペット、などについてははよく確認することをお勧めします。
A予約の方法
予約の方法は色々あるので、事前に確認しておきましょう。

@フェリー会社に直接電話して予約する
最も一般的な方法です。電話して日にちや便、人数、部屋、車の有無などを聞かれます。車の場合は車種や長さを聞かれます。ここで、部屋の事など、疑問があれば質問しておきましょう。割引の有無や運賃の支払い方法、性別なども聞かれることがあります。もちろん名前と電話番号も聞かれます。予約が成立すると、たいてい予約番号を言われます。それをきちんとメモしておきます。(会社によっては名前だけで良い場合もあります。)

ここで、切符の購入期限を言われたら、その期日までにフェリー会社や旅行会社で前売り券を購入しなければなりません。繁忙期はこの方式が多いです。これは予約だけして無連絡で乗船しない事を防ぐために行います。事前購入が確認できない場合、取り消しされます。

会社や時期によっては電話予約したら、あとは当日に窓口で購入で良い場合もあります。この方式だと便利です。

A旅行会社で購入する
旅行会社でも予約・切符の購入ができます。電話予約後に切符の事前購入を義務付ける会社なら旅行会社で購入すると2度手間が省けます。ただし、旅行会社によっては運賃の他に手数料を徴収されるので注意!可能ならば手数料を取らない旅行会社で購入しましょう。

余談ですが、交通と宿泊を一緒に手配させると手数料が高いので、「ご一緒にホテルはいかがですか?」と誘われても断りましょう。
但し、超繁忙期はフェリーのみの客は眼中にないので複合手配の方が一生懸命に取ってくれるかも知れません。

Bインターネットで予約
会社によってはネット予約が出来る場合もあります。予約可能な期限(出港の何日前まで?)や等級、車種などに制限が多い場合もありますが、ネット予約の場合、割引となる会社もあるのでチェックする価値はあります。注意が必要なのは、インターネットによる予約は席数に制限があるケースが多く、インターネットでは空席なしでも電話なら取れる場合や、その逆もあります。
B乗船当日は?
@港へは可能ならば余裕を持って到着!
乗船当日は予約や前売り券購入時に指示された時刻までに港へ到着しましょう。特に車両がある場合は絶対に守りましょう。車の場合、トラック等との積み方や行き先の違いなどにより出港直前に行っても乗船できない可能性もあります。(例えば、中間寄港のある船で終点までの車を出口に積むと他の車が途中港で下船できません。)車両がある場合はだいたい出港1時間前(航路や時期によっては2時間前という所もある。)の到着を要求されます。乗客のみの場合は、事前に切符を持っていたり、すいている時期なら30分前で十分です。

電話予約のみでお金をまだ精算していない場合、繁忙期なら、絶対に到着時刻は守りましょう。遅れた場合、予約をキャンセルされて、他の人に発売されても文句は言えません。渋滞などで、どうしても指示された時刻に遅れそうな場合は、乗船港に乗る意思があることを連絡しておけば配慮してくれるかもしれません。(出港に間に合わなければ×)

A乗船券の購入、クーポンの引き換え
乗船当日、港に着いたら、乗船名簿を記入して窓口で切符を購入します。(稀に名簿を窓口で渡される場合もあります。)電話予約している場合は予約番号が必要です。

前売り券やクーポンがある場合でも乗船手続きがあります。乗船名簿を提出し、当日用の乗船券と交換されたり、前売り券に検印されます。ただし会社によっては、その会社発行の前売り券なら手続き不要で、そのまま乗船できる所もあります。

B車輌の駐車
車で乗船する場合、掲示や係員の指示に従って駐車場に停車して、ターミナルへ手続きに行きます。その際、車の長さを確認するため、手続きに車検証が必要です。なお、改造車やキャンピングカーなどは、会社によっては貨物車扱いとなって割高になる場合もあります。貨物車運賃適用の基準はナンバーの数字だったり、車検証だったり、外見だったりと会社により様々です。この違いは大きな差額となるので揉めがちです。
Cいよいよ乗船!
@乗船開始時刻
乗船開始時刻は、会社によってまちまちで早い所で90分前、だいたい1時間前といった所が多いです。ただし、船によっては、折り返し便で船内清掃などのため、夜行便でも直前まで乗船できない所もあります。また、車の場合はトラックが混雑している場合など、出港直前まで乗船できない場合があります。
(秋の北海道航路はトラックで非常に混雑する。)

A車での乗船
車での乗下船は、積み付けの都合で必ずしもターミナルに到着して並んだ順番にならない事が多々あります。ワンボックスカーが入らない場所や、軽自動車限定で駐車可能な場所などあるようです。怒っても仕方ないので、あきらめて待ちましょう。

車を積む場合、同乗者も一緒に車で乗船できる会社と、運転手のみ車で同乗者は別という会社があります。ただ、小さい子供と2人だけという場合などは、窓口で相談すればほぼ100%一緒に車で乗船できます。

また、車で乗船した場合、船が出港するとカーデッキには一切立ち入りできませんので必要な荷物は船室に持ち上がりましょう。時々、ペットを車に残す人がいますが、途中でえさをやったりできません。(泣きついたらOKの場合もありますが、これは稀なケースです。)また、カーデッキの環境は悪いので、ペットがかわいそうです。ペット室などの設備があるなら、少々出費してもそちらに入れてあげましょう。

B船室へ入る
車を駐車したら、また徒歩の場合は乗船開始の案内があったら乗船して 船室に入ります。個室の場合はたいていフロント等で切符をチェックし、部屋の鍵を渡されます。2等の場合は、そのまま入室のことが多いです。船や時期によっては2等でも席を指定している場合もあります。
D出港〜航海中
出港したら、あとは快適な船旅をお楽しみください。

@乗船後の部屋の変更
乗船した部屋に満足できなければ、上等級(下等級への変更は返金できません。)に空室があれば、差額を払って変更できますので、案内所で相談してみましょう。その場合割引運賃で乗船していても、差額は定価とする会社もありますので注意。また、最初に乗った部屋のベッド等を使用していたら変更できない場合もあります。
(等級を変えなくても、例えば船室の場所を反対舷に変えて欲しいとか、2等寝台などで、同室に子供がいて五月蝿いからほかの寝台に変えて欲しいなど、要望があればお願いしてみましょう。大きな態度で言うと確実に嫌がられます。あくまでもワガママなので低姿勢に・・・・。蛇足ですが、年数回程度で「いつも乗っているんだ!」という発言は禁物です。フェリーにとって上得意様は大型トラックです。)

A貴重品の保管
会社によっては多額の現金等の貴重品を預かってくれる所もあります。普通は財布や通帳程度です。パソコンなど、大きなものは非常識です。

B非常口の確認
万一の場合に備えて救命設備、非常口は確認しておくとよいでしょう。非常口を施錠している所もあります。(オイオイ・・・)船内の配置を覚えておくと、万一の時の生死を分けます。

C船内携帯電話事情
相部屋の船室内での携帯電話の使用は鉄道と同様に周りの方の迷惑となりますので、やめたほうが無難です。電波については肉眼で陸地が見えている海域ならだいたい利用できます。しかし、鉄製の船体が電波を遮りますので、陸地側の窓に寄ったり、デッキに出るとよいでしょう。船内は窓の無い内部屋では停泊中でも圏外になります。また、航海中は船が変針すると通話が途切れることもあります。

D施設利用時間の確認
船内の食堂、売店、浴室などはいつでも利用できるものではなく、利用時間が決まっています。利用するつもりだったのに、閉まっていた!なんてことがないように、あらかじめ利用時間を確認しておきましょう。
E目的地に到着・下船
船が入港したら下船ですが、会社によっては入港まで時間があるのに部屋から出そうとする会社があります。着岸まで慌てる必要はありません。個室の部屋の鍵は入港少し前に船員が部屋に回収にきたり、案内所に自分で返却したり、下船するときに案内所に返却したり様々です。

下船時の切符の回収は船で行ったり、下船してから陸上で行ったりと様々です。切符を全部回収したり、半券を返してくれたり様々です。半券を返す方式だと、下船口が混雑して流れが悪くなるので、全部回収してもらいたいものです。切符を渡さずに下船すると、海中転落騒動に発展するかも?

車での下船は、同乗者も車で同時下船できる所と、同乗者は旅客タラップから下船して、外の駐車場で合流しないとならない所があります。車での下船は、1台が残ると後ろの車が下船できない場合があり、下船の流れが詰まってしまうと後ろの車から相当なひんしゅくを買いますので放送があったらはやめにカーデッキに降りましょう。また、積み付けの都合で、乗船した順に下船できるとは限りません。また、会社によっては車の固縛装置を、着岸後陸上の作業員が外しに来るため、下船までに時間がかかる所があります。
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