フェリー旅行のススメ | ||
|
||
〜フェリー旅行のメリット〜 | ||
従来、船のメリットは価格が安いということが有名でしたが、航空運賃が価格破壊した今日、その差は小さく、たいした魅力とはならなくなりました。フェリーは単に移動するだけでなく、他に付加価値があるという点を述べてみましょう。 ここで、第一のメリットとして挙げたいのは「移動の時間中、狭い座席で拘束されることなく、ゆったりと寛げる。」という事です。フェリーの場合、広い空間がありますので、電車や飛行機のように、長時間狭い座席で我慢する必要がありません。上等級は少なくともビジネスホテル以上の快適性はありますし、仮に2等船室でも大部屋で足を伸ばして休めます。狭い座席に座るよりもよっぽど快適です。また、自分の部屋に飽きたら、ロビーや浴室などの公共のスペースで寛ぐことも可能ですし、海を眺めながらデッキを散歩することもできます。仮に時間が余計にかかったとしても、寛ぎながら移動できるわけで、乗船して移動している時間も「船旅」として旅の一単位となり得るといえるでしょう。 第二に「車を積めるので、他人に気兼ねしないで旅行できる。」という点です。特に、小さい子供の居る家族にはお勧めです。電車や飛行機は、常に周りの乗客に気を使って旅行しなければなりません。子供が大声をあげたり、小型ゲーム機の音をさせたり、これらは周りの乗客には大迷惑です。電車や飛行機の中で、常にそれに気を使っているのでは、疲れてしまいます。その点、車とフェリーを使った旅行ならば、フェリーで個室を利用すれば、他人に気兼ねなく完全に家族水入らずの旅が楽しめます。 第三に、「長距離の運転の途中に休息ができる。」という点です。北海道ならば、車であれば絶対にフェリーを利用しなければなりませんが、九州や四国ならば橋を利用すれば無理にフェリーに乗らなくても行くことができます。こんな場合、ついつい高速料金とガソリン代の合計が、フェリー航送運賃と比較して、ちょっとでも安ければ陸上を走って行きがちですが、これは運転者(一般にお父さん)に多大な負担をかけてしまいます。ちょっと割高でも、運転者がハンドルを離して船内で休め、みんなで食事をしたり、歓談したり、眠ったり、つまり走るホテルとして利用できるという利点は大きいでしょう。これは、長距離航路だけでなく、架橋と並行する近距離の航路でもあてはまります。この場合は、走るサービスエリアといった感じですね。 第四に、「他の交通機関よりも運賃が安いケースがあるという事。」です。車の場合、大人数で乗車するとフェリーでなく、陸上を走行したほうが安い(船の旅客運賃が人数分かかるから。)ことが多いですが、1人か2人なら検討の余地があります。旅客のみの場合は2等ならば電車や飛行機より圧倒的に安く、1等や特等でも少し安い場合があります。どちらにしても、割引運賃を上手に利用すると、かなりお得になるケースもありますので、調べてみる価値はあるでしょう。 最後のメリットとして、「船は安全である。」と主張したいものです。私個人としては航空機は怖いので急用以外は利用しません。日本で乗客が犠牲になる海難事故は最近は起きていません。 |
||
〜フェリー旅行のデメリット〜 | ||
フェリー旅行のメリットばかり説明しては、不公平ですからデメリットも述べましょう。 第一に、「荒天に遭遇すると、ダイヤが大幅に乱れたり、船体動揺で船酔いに苦しめられる。」可能性があるという事です。気象情報に注意して乗船しましょう。 第二に、「フェリーのりばがわかりにくい、遠い。」という事です。車の場合はともかく、徒歩の場合は深刻で、都市の中心から出発して、はるか郊外の港に着いて乗船して船が出港したころには、飛行機なら目的地に着いている!という事も起こりうるのです。 第三に、「船に関する情報がないので、利用のしかたや船室のことが、普段利用していない人にはわかりにくい。」という事があげられます。また、フェリー会社によるサービスの差が極端で、よけいにわかりにくいかと思います。 |
||
〜特等船室のススメ〜 | ||
最後に、私の考えをひとつ。 せっかく船旅を楽しむのですから、2等や寝台ではなく、思い切って特等船室の旅を楽しんでみてはいかがでしょうか?(特等が高いのなら1等でも十分です。)新幹線では普通車とグリーン車の差なんてたかが知れていますが、船の部屋は等級による差が極端で、お金を払った分だけ快適な船室を利用できます。フェリーというと、大部屋の印象が強いですが、一度特等船室を体験すれば、その快適性をおわかり頂けるかと思います。 2等船室は価格が安く、他の乗客との交流が楽しいという意見もあるかと思いますが、ぜひ一度、特等船室の旅も体験して頂き、船旅の快適さを知って頂ければと思います。 |
||
もどる | ||