ボクシングの元WBA世界フライ級王者・坂田健史(30)=協栄=が13日、東京・新大久保の協栄ジムで、現役引退を表明した。「体力の衰え」を引退の理由に挙げ「自分なりに考えて結論を出した」と語った。通算成績は44戦36勝(17KO)6敗2分け。3月14日に引退セレモニーを行う。
07年3月に王者ロレンソ・パーラ(ベネズエラ)を破って王座を獲得し以後、4度防衛。昨年9月にWBA世界フライ級王者・亀田大毅(亀田)に挑戦し、敗れた試合がラストファイトとなった。4月からは専大の夜間部に通って経営学を学ぶ一方で、将来的には指導者として協栄ジムに関わっていく可能性もある。
「忘れられない試合は、世界初挑戦でアゴを骨折した試合と、世界チャンピオンになった試合。12年間、一つのことをこれだけいちずに頑張ってこられたのは、本当にボクシングが好きだったから」と瞳を潤ませ、かつてのジムメートで、ライバルだった亀田兄弟については「いい意味でも悪い意味でも自分を燃えさせてくれた相手」と振り返った。