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【政論】国民の「怒り」を理解できぬ「どん菅」「とんちん菅」 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:菅首相
菅直人首相は、国民が政権の何に憤っているのかをまるで理解できていない。13日の民主党大会で眉間にしわを寄せ、党所属議員に「自信を持とう」と訴える首相の言葉と国民意識との乖離(かいり)を思い、改めて寒々とした心境になった。
首相のあいさつは国民感情に鈍感であり、その論理はとんちんかんだった。
「この政権交代からの1カ月半、大きな意味で民主党が進めてきたことは間違っていなかった」
民主党政権の実績をこう総括したが、初っぱなから「1年半」を「1カ月半」と言い間違えた。そもそも「大きな意味で」とぼかすところも自信なさげだ。一事が万事、この調子で焦点が合っていない。
菅政権が失速したのは、昨年9月の沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件をめぐる姑息(こそく)な「逃げ」の対応がきっかけだ。ところが、首相は13日も非を認めずにこうごまかした。
「尖閣の問題などで『リーダーシップがない』『ダメじゃないの』と抽象的に批判を受けている」
果たして批判は抽象的だったか。首相の外遊中を狙って那覇地検に中国人船長の釈放を発表させ、それを通常の刑事手続きだと強弁して恥じない政権の卑怯(ひきょう)さは隠しようがない。
海上保安庁が予定していた衝突映像の公開にストップをかけ、「ビデオを出したら国民は激高する」(民主党幹部)、「あれを見たら国民感情が燃え上がってしまう」(政務三役)などと国民を蔑視した姿勢が憤激を招いたのではないか。
「われわれ主権者は政府に嘘をつかれ、信用されず、知る権利をないがしろにされている」
多くの国民がそう直感したはずだ。インターネット普及で誰もが情報を発信でき、かつ情報共有できる時代だというのに、首相は情報操作と隠蔽(いんぺい)を試み、結局は映像流出事件で恥の上塗りをした。