「北朝鮮スパイ」収監の在日韓国人に無罪　再審３例目

　【ソウル＝牧野愛博】全斗煥（チョン・ドゥファン）政権時代に北朝鮮のスパイだとして収監された在日韓国人、李憲治（イ・ホンチ）さん（５８）＝神戸市在住＝に対する再審の判決公判が１３日午前、ソウル高裁で開かれ、「検察が提出した資料には証拠能力がない」などとして無罪判決を言い渡した。

　韓国企業で働いていた李さんは１９８１年、北朝鮮のスパイだとして軍保安司令部によって連行された。無期懲役刑を宣告された後、９６年８月に仮釈放されるまで、１４年１０カ月間の獄中生活を強いられた。

　在日韓国人「スパイ」事件で、再審無罪判決が出たのは昨年７月と今月１０日に続いて３例目。李さんは判決後、記者団に「やっと肩の荷が少しおりた」と語った。