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北で公開処刑急増、昨年は前年の3倍「金正恩氏の恐怖政治強化」韓国紙
【ソウル=加藤達也】朝鮮日報が13日、韓国政府関係者や北朝鮮の内部事情に詳しい筋の話として伝えたところによると、北朝鮮で昨年1年間に公開処刑された住民の数が一昨年の3倍を上回った。また、北朝鮮の警察や国境警備当局などの保安機関には脱北者の無条件射殺命令が出され、中朝国境を流れる鴨緑江、豆満江の両河川を渡ろうとして射殺される住民も相当数に上っているという。
公開処刑が急増している背景について、朝鮮日報は「金正恩氏による後継体制を定着させるため」と指摘している。
韓国政府関係者によれば、2010年に公開処刑された北朝鮮住民は09年の3倍の60人に上る。中国製の携帯電話を使っただけで処刑されるケースもあり、北朝鮮国内の街頭には警告文もみられるという。
北朝鮮には、国内の通信網を使った携帯電話もあるが、情報統制措置として、通信・通話が制限されている。一方、中国製の携帯電話は中朝国境に近い北朝鮮側の地域でも電波が届き、北朝鮮の通信統制や妨害を比較的受けにくく国外とも通話が可能となっている。
このため、脱北者や人権保護団体などが北朝鮮内部の情報を知る手段となっており、北朝鮮当局が取り締まりに力を入れている。
脱北者団体「北朝鮮人民解放戦線」の関係者は「普通ならば懲役刑で済む罪も、無条件で公開処刑になる雰囲気だ」と指摘している。
一方、「射殺命令」については、中国吉林省の住民の情報として「昨年12月、凍結した鴨緑江を中国側に渡っていた住民5人が狙撃され死亡、重傷を負った2人が北朝鮮に連れ戻された」と伝えている。