菅直人首相が政権浮揚のきっかけにと臨んだ13日の民主党定期党大会。政権与党として初めて臨む統一地方選は目前に迫る。「逆風ではない。台風だ」。全国から集まった地方議員らは厳しい選挙情勢を口々に訴えた。
「愛知が正念場。ここで歯止めをかけなければ一気に流される」
統一地方選を占う2月6日の愛知県知事選、名古屋市長選を控えた民主党愛知県連の杉岡和明幹事長は危機感をあらわにした。
民主党は昨年11月の千葉県松戸市議選、12月の茨城県議選、東京都西東京市議選で惨敗続き。民主王国の愛知でも既成政党に加え、河村たかし前名古屋市長率いる地域政党の出現で、勝敗の行方は混沌としている。民主党支援者も「地殻変動」のように地域政党支持に回っているという。杉岡幹事長は「公認を断り、地域政党から出るという新人もいる。逆風じゃない、台風直撃だ」と話す。
逆風は全国で吹いている。和歌山県連では県議選の候補者を公募したものの、3人の応募しかない。滝洋一副幹事長は「保守が強い地盤とは言え、議席数42なのに」と肩を落とす。「年金は下がり、国の借金は膨らむ。地元では『何をやっているんだ』という怒りの声ばかり。夢はもういい。結果を出してほしい」と悲鳴を上げる。
小沢一郎元代表のお膝元、民主党岩手県連の佐々木順一幹事長は、農産物を含め、関税が撤廃される環太平洋連携協定(TPP)への参加検討について「(党の方針が)生煮えのまま、選挙を戦う人に負担を負わせている」と批判。小沢氏の政治とカネの問題には「政党は同志の集合体だから、仲間を守ることが大事」と強調した。
党大会には国会議員を含む約2200人が参加。議案採決前に、一部議員から質問を求めるやじが起き、一時騒然とする場面もあった。
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