民主党は13日午後、千葉市の幕張メッセで定期大会を開いた。あいさつに立った菅直人首相は、消費税など税制と社会保障の一体改革に向けた与野党協議を呼び掛けた上で「野党が積極的に参加しようとしないなら、歴史に対する反逆行為と言っても言い過ぎではない」と述べ、野党を強くけん制した。
大会では、衆参両院選マニフェスト(政権公約)の見直しや、党代表任期(2年)の延長などについて、夏までに結論を出す、との執行部方針を了承した。しかし、小沢一郎元代表の「政治とカネ」を巡る党内の亀裂について、国民新党の亀井静香代表が「みっともないと言わざるを得ない」と批判するなど、来賓からは迷走を続ける政権への苦言が相次いだ。
亀井氏は「参議院で過半数割れしているからといって政権基盤が崩壊をしているわけじゃない」と菅内閣の国会運営を批判し、「一致結束、火の玉で取り組んできたのか」と郵政改革法案成立の見通しが立たないことに不満をぶちまけた。社民党の福島瑞穂党首も「国民への約束を愚直に政治でやっていこうではないか」と語り、米軍普天間飛行場の移設問題を巡る民主党との距離感をにじませた。
最大の支援団体、連合の古賀伸明会長からは「通常国会で一丸となってねじれ国会を乗り越える党体制を整えてもらいたい」と注文がついた。それでも「脱小沢」路線を貫く執行部と、小沢氏系議員の溝の深さは、地方代表者らも参加した党大会で改めて露呈した。
「国民生活が第一の政治とは違うじゃないか。なぜ発言させないのか」。拍手で活動方針案を採択する直前、小沢氏に近い森ゆうこ参院議員ら数人が立ち上がり、発言を求めた。認められなかった森氏は最後の「ガンバロー」の前に席を立ち、記者団に「与謝野(馨元財務相)さんが入閣するなら自民党の大増税路線と同じ。それでいいのか」とまくし立てた。
一方、小沢氏は党大会に姿をみせないまま。側近は「風邪で自宅で寝ている」と説明した。【葛西大博】
毎日新聞 2011年1月13日 19時27分(最終更新 1月13日 23時57分)