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高江ヘリパッド問題:テント損壊「言い逃れ許さない」 住民、米軍を批判

 【東】東村高江で、米軍ヘリの風圧がテントを損壊し、椅子や立て看板を吹き飛ばしたとされる問題から6日。座り込みを続ける「ヘリパッドいらない」住民の会が不安と怒りを感じる中、ようやく口を開いた米軍は、飛行訓練自体は認めながらもテント上空のホバリングは否定。さらにテントが近いから被害があったとも受け取れる回答に、地元の怒りは収まらない。飛行訓練と被害との関係について明言を避ける姿勢に、関係者からは「そんな通り一遍の言い逃れは許さない」「口裏を合わせたのでは」と批判の声が上がった。

 当時現場にいた沖縄平和運動センターの山城博治事務局長は「3年半テントを張っているが通常訓練(による飛行)の風圧でこうなったことはない」と反論した。「『テントの上を飛んでいない』と言うなら、まず現場に来て私たちに釈明すべきだ」と批判。年明けにも沖縄防衛局に対し、現場で米軍ヘリを飛ばして実証実験するよう求める考えを示した。

 米軍側の回答は「テントは着陸場の近くにある」と指摘し、テントが基地に近いから被害を受けたとも受け止められる内容。しかし現場は基地外の民間地で、住民の会の伊佐真次さんは「基地の近くとはいえ、公道の上を飛んで被害を与えた。たまたま通り掛かった車に被害が出た可能性もある。そんな危険が常態化するのならヘリパッドの建設はもってのほかだ」と強調した。

 伊佐さんは、発生から6日後の回答に「すぐ調査に来ないで誠意が見られない。この間に口裏合わせしていたのではないかと疑問を感じる。パイロットの名前や所属まで明らかにすべきだ」と不信感を募らせた。

 ◇「台風並みの風」 航空評論家・青木氏「通常あり得ない」

 東村高江でのテント損壊に対し、米軍が「通常の訓練をしていた」と回答したことに関して、航空評論家の青木謙知氏は「救助や地上の何かを探すなど特別な目的がない限り、通常は高度を15メートルまで下げて1分間もホバリングすることはない」と述べ、目撃者の証言が正しければ通常の訓練ではあり得ないと指摘した。

 低空でのホバリングは「台風のような風が吹くことになり、下に幼い子どもや老人がいればけがをする危険性もある。高度を下げ過ぎればヘリ自身も危険だ。意図的であれば悪質で、パイロットの資質を含め責任を追及する必要もある」と危険性を強調した。

 機種は「大きなダウンウォッシュ(吹き下ろし)があったのであれば、輸送機の可能性がある」と述べ「市街地で民間のヘリがこんなことをすれば航空法違反だ。米軍は処罰されることはなく、ホバリングとテント損壊の因果関係を証明するのは難しいだろうが、特段の理由もなくやったのなら非常識だ」と話した。

(琉球新報)

2010年12月30日

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