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あの日その時:取り押さえ審判・証言録 被告人質問/8 /佐賀

 ◇安永さんの暴行ない

 07年9月に佐賀市で知的障害者の安永健太さん(当時25歳)が警察官に取り押さえられた直後に急死した問題で、県警巡査長、松雪大地被告(30)が特別公務員暴行陵虐傷害罪に問われた審判の第9回公判は昨年12月16日、佐賀地裁で開かれ、被告人質問があった。被告側弁護人に続き、検察役弁護士が尋問した。

 検察役 歩道で安永さんが尻餅をついてあおむけになったとあるが、それを開始状態として、うつぶせになり片手錠になるまでと、どっちが時間的に長かったか。

 被告 私としては同じくらいだった。

 検察役 片手から両手錠がかかるまでの時間と、あおむけの時間、どちらが長いか。

 被告 あおむけの状態の時間の方が短い。

 検察役 車道から歩道に移動する時、安永さんが殴りかかったことはあるか。

 被告 安永さんは腕を激しく振り回した。私の方に当たったかもしれないが、故意に殴りかかっているとは感じていない。

 検察役 攻撃的な行為とは受け止めなかったか。

 被告 腕を振り回しているだけ。直接殴ってきているとは感じなかった。

 検察役 車道から歩道に移動させたのは、車道にいると何が起こると考えたのか。

 被告 残っていると、安永さんが事故に遭う可能性があると考えた。

 検察役 なぜか。

 被告 車道だから。

 検察役 車道上に居続けると考えたのか。

 被告 その場に踏みとどまる姿勢を見せたので。

 検察役 安永さんはバイクより北側にいたのではないか。

 被告 はい。

 検察役 それでも事故に遭う危険があったか。

 被告 可能性はあった。

 検察役 それだけか。

 被告 歩道に移動させたのは、事故と、バイクの運転手への他害の可能性があった。

 検察役 しかし、安永さんは抵抗したと。

 被告 はい。

 検察役 抵抗が続いているので、2人で歩道へ移動させたのか。

 被告 はい。

 検察役 歩道へ移動させて、なぜそこで解放しなかったか。

 被告 それまでにも、安永さんには「落ち着かんか」と声を掛けたけど「うーあー」と声を上げ、にらみ、ツバを吐き、腕を回し、暴れるのが続いたので、まだ押さえていた。

 検察役 押さえるから、抵抗するのではないのか。

 被告 暴れる状況から、手を放せる状態ではなかった。

 検察役 安永さんが攻撃姿勢になかったのだから、あなた方が押すから、それを排除しようとしたのではないか。

 被告 腕を振り回したので、まだ、自傷、他害の可能性があると考えた。=つづく

毎日新聞 2011年1月6日 地方版

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