広島市は12日、JR広島駅(南区)南口広場の再整備を考える検討委員会(有識者7人で構成)の2回目の会合を市役所で開いた。広島電鉄が構想する路面電車の新路線「駅前大橋線」について、市が広島駅に乗り入れるルートの構造3案を提示し、委員が意見を交わした。
駅前大橋線は、駅東側を迂回(うかい)する現行ルートを変更し、駅正面を直進する。距離は現行より200メートル短縮される。広電は2016〜17年の開通を目指している。
構造3案のうち、平面案は道路上を通って駅前大橋を渡り、南口広場に電停を設ける。事業費は約30億円。3案のうち最もコストを抑制できる一方で、周辺道路の渋滞を招く可能性がある。
地下案は、稲荷町交差点北側から地下に入る。猿猴川の下をくぐり、南口地下広場の下(地下約15メートル)に新設する電停に乗り入れる。事業費は約250億〜300億円で、最も高い。
高架案は、駅前大橋南側と南口広場の間を高架化で結ぶ。電停は広場に高架で設ける。事業費約70億〜100億円。ただ、短い区間に高低差ができ、広電側は「運行に支障が出る」としている。
3案とも猿猴橋町の電停は廃止する。委員からは「バス、タクシーなど他の交通機関のスペース整備も併せて考える必要がある」「電停が消える地域への対策も必要だ」などの意見が出た。
|