2011年1月13日(木)
2010年12月18日15時09分
「友達になりたかった」。東金女児殺害遺棄事件の初公判で17日、検察側が示した犯行のきっかけは、衝撃的な事件の結果とかけ離れたものだった。殺人罪などに問われた勝木諒被告(23)は黒いスーツ姿で入廷し、裁判長の人定質問に幼い口調でゆっくりと答えた。とっさの殺意を抱かせたのは、「帰る。ばか」という被害児の必死の言葉。事件の詳細が検察官から語られると、ついたての中の遺族は涙を流した。
勝木被告の供述調書には、死亡した成田幸満ちゃん=当時(5)=の最後の様子が詳しくつづられていた。「(道で)すれ違った女の子と友達になりたいと思いました」。声を掛けられず、自宅に連れ去った。幸満ちゃんが泣き出し、「帰りたい、誰かに会いたいと言っていました」。その後、勝木被告が「帰るな」、幸満ちゃんは「帰る、帰る」と言い、幸満ちゃんの「ばか」という言葉で「かちんときて、暴走モードになりました」。「もう顔も見たくないほどカーっときて、風呂につけてしまいました」とも。「ごめんなさい。本当にごめんね」とした。質問が殺害の核心部分などに及ぶと、筆談で答える特殊な取り調べ方法をとっていた。
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