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TBS > 採用情報トップ > 現場の人々 > 報道局社会部・橋口由侍
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警視庁担当の記者として、都内で起きる事件や事故などの取材をしています。主に、公務員の贈収賄事件や詐欺・横領などの知能犯事件、ほかに暴力団や総会屋などが関わる犯罪も担当しています。
事件を複合的に見ること。でも、伝えるときは分かりやすく。熱中して取材すればするほど、自分の考えや取材相手の主張が正しいように思えてくるもの。自分の見えているものなんて、ほんの一部。時には、捜査当局の見立てでさえも吟味して取材対象に向き合おうと心がけています。
経済犯罪は、お金の流れ、対立しあう主張、複雑な権利関係など一言で言い表せないことばかり。しかし、それは視聴者とって関係のない話で、難しい内容だからこそ分かりやすく伝える。経済事件記者の一番の腕の見せ所かなと考えています。
「 明日、事件の着手日かもしれない 」
事件記者にとってそれは待ちわびた日であると同時に、最も緊張感の高まる瞬間でもあります。今年5月 「 ニュース23クロス 」 の報道で発覚した 「 年金記録の照合業務をめぐる入札 」 で起きた情報漏洩。発注者側の日本年金機構の職員が参加業者に入札情報を教えていたこの問題は、その後、警視庁が事件として捜査を開始。私の役割は、担当記者として事件の概要や適用される罪名を把握し、着手日を探り当て速報することでした。この最後の1つが最も難しい。
取材の中で気付いた 「 逮捕が近いのかも 」 という感触。そして絶えず頭の中をよぎる 「 いつ他社が書いてくるのか 」 という不安。結局、キャップに 「 明日かも知れません 」 と報告した夜でさえ、その確証は持てないまま。中継車の手配や原稿を準備し帰宅しても、朝刊に書かれるかも知れないと思うと寝付けません。
翌日、今日の着手でほぼ間違いないと判断し、いつ速報するのかキャップと相談。逮捕していないに 「 逮捕した 」 とは書けないわけで、そこは冷静に、慎重に。この日、どうにか裏取りし 「 Nスタ 」 内で速報を流しましたが、入ったのはオンエア終了の5分前。嬉しいというより、むしろホッとしました。
「 抜いた、抜かれた 」 が全てではありませんが、この緊張感にはまっているからこそ、厳しい事件記者という仕事を続けていられるのだと思います。
3年ほど前、群馬県にある当時 「 日本一高齢化率の高い村 」 の取材をしました。そこは、80歳近い老医師がたった1人で村の医療を守っている状態。取材の途中、その医師が病に倒れて無医村になってしまうのですが、窮状を取材しオンエアしたことがきっかけの1つとなり、隣町から医師が来てくれるようになりました。
言い尽くされた言葉ですが、自分の取材が誰の役に立ったと感じる時、この仕事をしていて良かったなあと思います。
「 今年 」 というより、1つ1つに案件に挑み続けることが取材なのだと思います。気負わず、侮らす、頑張って行きたいです。
記者を目指す方へ
TBS にこだわらず、テレビでも新聞でも雑誌でも、ネットでもいい。「 記者になりたい 」 という強い意志を持って頑張れば、きっと道は開けると思いますよ。頑張ってください。