中国政府は、レーダーに探知されにくい新型戦闘機の試験飛行が、アメリカのゲーツ国防長官の訪中にあわせて行われたのではないかと伝えられたことについて、国営通信社を通して、これを否定する立場を強調し、来週、予定されている胡錦涛国家主席のアメリカ訪問を前に、新たな火種を抱えたくないという思惑をにじませています。
中国では11日、インターネットのニュースサイトが、レーダーに探知されにくいステルス性能を持つとされる新型戦闘機の「殲20」の初めての試験飛行が行われたと伝えました。中国では、現在、アメリカのゲーツ国防長官が訪問している最中で、ゲーツ長官は、11日に行われた胡錦涛国家主席との会談で「私の訪問にあわせて行ったものであれば、米中両国の関係を損ねる」と不快感を示しました。これについて、国営新華社通信は11日夜、中国国防省の幹部が、新型戦闘機の試験飛行を行ったことを認めたうえで、「長官の訪問にあわせたものではない」と説明したことを伝え、アメリカに対するけん制ではないと強調しました。中国政府が、新型兵器の開発について言及し、釈明するのは異例で、来週、予定されている胡錦涛主席の5年ぶりとなるアメリカ公式訪問を前に、米中関係の新たな火種を抱えたくないという思惑をにじませています。