ステルス戦闘機「殲20」公開、習副主席が主導か

 中国初のステルス戦闘機「殲20」の試験飛行は、巧妙にもゲーツ米国防長官と胡錦濤国家主席が会談した際に確認された。中国軍首脳部の何者かが計画し、タイミングを合わせたのではないかという推測も聞かれる。

 これについて、カナダの軍事専門誌「漢和ディフェンスレビュー」のアンドレイ・チャン編集長は12日、「テレビドラマのような殲20試験飛行のドラマは、習近平国家副主席の作品だ」と指摘した。チャン編集長は香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストに対し「今回の殲20をめぐるメディア戦略は、最初から習副主席が担当し、最高の瞬間に公表されるよう、徹底して企画、演出を行った」と指摘した。

 香港紙・明報によると、習副主席は今月初め、四川省成都市の軍用空港で行われた殲20の滑走テストを直接視察したとされる。

 チャン編集長は「習副主席の政治スタイルは、胡主席とは全く異なる。殲20の試験飛行がそのスタイルを示している」と評した。

 チャン編集長によると、中国の国家体制(共産党一党独裁)の性格上、地方の特定メディアがステルス戦闘機開発という軍事機密を漏らすことは有り得ず、中央軍事委員会が知らない間に傘下の部隊が試験飛行の日取りを決めることもできない。このため先月末からステルス戦闘機開発説を外部に流し、世界的な関心を増幅させた後、劇的な瞬間に発表されるように、日取りや時間を設定した。これもすべて習副主席の作品ではないかとみられておる。

 それならば、習副主席は胡主席にも事前に試験飛行の時間を知らせなかったのか。胡主席は11日午後、ゲーツ国防長官から殲20の試験飛行について確認を求められ、驚いたような表情を見せた。そして、同席者に確認した後、「事実だ」と述べたという。会談に同席した米政府関係者は「胡主席は試験飛行の事実を全く知らなかったようだ」と話し、米メディアは「胡主席の軍掌握力に問題があるのではないか」とまで報じた。

 しかし、香港の中国問題専門家は、胡主席の表情は演技だった可能性を指摘する。共産党の最高権力機関の一つである共産党中央軍事委員会の主席は胡錦濤氏であり、副主席は習近平氏だ。共産党首脳部の集団指導体制が取られる中国の特性上、主席が知らない状況で、重要なイベントが行われるはずはないとの見方だ。このため、胡主席は「中国がステルス戦闘機を運用するのは2020年か25年になる」と中国を軽視したゲーツ国防長官に対し、間接的に試験飛行の事実を確認するという高度な芝居を行った可能性がある。

北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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