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最終更新:2011年1月13日(木) 19時9分

内閣改造、与謝野氏を要職で起用へ

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 14日の内閣改造を前に、人事の大枠が固まってきました。たちあがれ日本を離党した与謝野馨氏を要職で起用するほか、枝野幹事長代理の官房長官就任が内定しました。一連の人事を探っていくと、政権運営のためになりふり構わぬ菅総理の仕掛けが見え隠れしてきます。

 13日朝、たちあがれ日本からの離党届を提出した与謝野馨衆議院議員。

 「私がいることにより、いろんな非難・中傷が平沼代表らのところに集まるのは不本意と思い、辞めることにした」(与謝野馨衆院議員)

 朝一番には離党の理由を「理念の違い」としていましたが、わずか2時間後、改めて会見した与謝野氏はもはや政権に加わる意欲を隠そうともしませんでした。

 「(菅首相の政策については)私がお手伝いできることがあったら陰ながらお手伝いしたい」(与謝野馨衆院議員)

 財政問題に造詣が深い与謝野氏をブリッジに、野党との協議を進めようとする官邸の意図がにじむ今回の離党劇、ですが・・・。

 「極めて頭のいい、政策マンとしてはなかなか大した方である。私はそれは認めます。ただ政治家としての行動、出処進退、そういうものに対する考え方は私どもと違う。私がきょう申し上げられるのはこれだけです」(自民党 谷垣禎一総裁)

 自民党からは自民党の比例選出からたちあがれ日本に移り、さらに民主党に協力姿勢を示した与謝野氏について、「議員辞職すべきだ」と激しい批判が噴出しました。野党の反発をあおるだけの結果となりかねない、与謝野氏の引き抜き。菅総理の思惑はどこにあるのでしょうか。

 「今、あの、いろいろ時間的な調整を行っています」(菅首相・12日)

 12日、内閣改造についてこう述べた菅総理が、日程についての方針を固めたのは11日の夜。

 「14日に内閣改造、24日に国会召集で調0$7$F$[$7$$!W!#J!;341K
 「多くの政党の皆さんにも理解をいただき、できればより多くの皆さんに賛成をいただきたいというのも、もうひとつの大きな要素であります」(菅首相)

 年初の会見で、これから審議入りする来年度予算案の修正をもちらつかせる、異例の発言を行った菅総理。ねじれ国会を乗り切るため、社会保障制度や消費税問題など、恒久的な政策課題について、野党を協議に巻き込むことで協力の道を開こうという腹が透けて見えます。

 ですが、菅総理はもう1つの打開策を描いていました。年明け、岡田幹事長や枝野幹事長代理が深夜、会合を繰り返す場面が目につきました。密議の場で行われていたのは、通常国会で重要法案を成立させるためのシミュレーションでした。

 例えば、「郵政関連法案は、参議院で否決されても衆議院で社民党などが賛成に回ることで、3分の2以上の賛成を得て再可決による成立が可能」などと菅総理に報告していました。

 「3分の2を使えば、国会はどうにでもなるんじゃないか」(菅首相)

 さらに菅総理は、周辺にこうも漏らしています。

 「こんな国会、ばかでも乗り切れる」(菅首相)

 一方で野党に政策協議という水を向け、また一方で、3分の2による強行突破を模索する硬軟そろえた作戦ですが、菅総理の言葉を聞いた政府高官や総理周辺は、強気とも楽観的とも受け取れる国会戦略にあきれたといいます。

 「3分の2を使うためには予算案の修正など、どれだけの妥協が必要か、総理は分かっているのか」(政府関係者)

 「(Q.長官自身が交代の方向になったと?)まぁ、そういうことです。(首相は)政治的なある種の大局判断をされたということだと思います」(仙谷由人官房長官)(13日17:55)

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