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[取材]

人気アイドルのマノエリ、ホラー映画で初主演!

人気アイドルのマノエリ、ホラー映画で初主演!

  ジャパニーズ・ホラーの世界的な飛躍に一役買ったとも評される「怪談新耳袋」シリーズの劇場版最新作「怪談新耳袋 怪奇」で、映画初出演&初主演を飾った真野恵里菜が、初主演の大任をこなす上で苦手なホラーを逆手に取るアイデア勝負に出たことを教えてくれた。

【関連写真】恐怖と笑いを両立した、真野恵里菜主演の「怪談新耳袋 怪奇」

  もともと同シリーズは日本中に本当にあった恐怖譚を集め、気鋭の映像作家たちが映像化してきた伝統あるホラーで、その恐怖は折り紙つき。実はホラーが大の苦手という真野は、「映画初出演で初主演と聞いたときはすごくうれしかったのですが、苦手な分野で現実にはない世界。こんなわたしに主役が務まるのかなと……」と不安だったそうだが、篠崎誠監督の助言で吹っ切れた。「監督が、『映画館に来てくれた人は、真野ちゃんの恐怖の表情を観て、これから起こることを想像する。だから思いっきり怖がっていい』と言ってくれたんです。怖がる演技が多かったのですが、安心して頑張ることができました!」と素で怖がる作戦で苦手なホラーを克服。なるほど劇中での恐怖演技は鬼気迫るものがある。

  そんな奇策で恐怖演技を乗り越えた真野だが、「怪談新耳袋 怪奇」には別の試練も待っていた。「ツキモノ」「ノゾミ」の二部で構成されていて、それぞれ大学生と高校生という別人格を演じなければならなかったのだ。「撮影中に混乱することもありました(笑)。確かに演じわける作業は大変でしたが、『ツキモノ』も『ノゾミ』も怖い中にもメッセージが含まれているので、ホラーといってもただ怖いだけじゃないなと思えて、勉強になりました」とまったく異なる二編のホラーに苦労したものの、一方で恐怖映画の魅力にも開眼。「ホラーに少しだけ興味が沸きました」と成長をのぞかせるが、「ほかの作品はどういう感じか観てみたいですが、なかなか行動には……(笑)」とホラー完全克服には至っていないとか。

  出演作だが、「怪談新耳袋 怪奇」の予告編だけで参ってしまうという真野に、最後に「ツキモノ」「ノゾミ」の注目ポイントを聞くと、「学校が舞台の『ツキモノ』は追いかけ回されて絶叫する演技がある正統派ホラーで、『ノゾミ』は怖いけれど、近くにいる人の大切さが痛いほどわかる感動系の作品です。最後は涙を流していただきたいです!」と解説してくれた。「怪談新耳袋」シリーズの深化した恐怖のみならず、女優として幅を広げた真野の真剣演技にも注目の一作だ。(取材・文・写真:鴇田崇)

  映画「怪談新耳袋 怪奇」は、2010年9月4日(土)より、シアターN渋谷ほか全国順次ロードショー。

■関連リンク
「怪談新耳袋 怪奇」作品情報
「怪談新耳袋 怪奇」公式サイト