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NHK“バラエティー化”に親方衆怒る

2011年01月13日
スポーツ

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 角界に「デーモン騒動」が勃発した。10日、NHK大相撲中継で特別ゲストとして招かれた歌手のデーモン閣下が、野球賭博関与で昨夏に解雇された元大関琴光喜(34)の現役復帰を熱望。さらに幕内の取組中も緊張感のないトークを繰り広げたため、親方衆が反発の声を上げた。伝統の相撲中継を突如、“バラエティー化”したNHK。その舞台裏には相撲中継の“危機”が隠されていた。

 天下のNHKがまさかの“爆弾”を落とした。この日の中継ではアナウンサーが実況を行い、その前後にスタジオ形式のインタビュールームで好角家として知られるデーモン閣下と、音羽山親方(39=元大関貴ノ浪)と大鳴戸親方(36=元大関出島)がトークを行うという、異例の形で行われた。その中でデーモン閣下は自ら考案した1年後の「夢番付」を披露。全国に衝撃が走ったのは東前頭筆頭を発表した時だ。そこには「琴田宮」の3文字。共演した親方たちの顔はみるみる引きつった。
 無理もない。「琴田宮」とは相撲協会を解雇された元琴光喜の田宮啓司氏のことで、その入門時の四股名だ。デーモン閣下は「琴光喜だけが責任をかぶるのはどうなのか。今年の夏とか秋に復権をさせてあげたらどうか」と公共の電波を使って協会に琴光喜復帰を呼びかけたことになる。

 幕内の取組前後には出演者から笑い声も上がり、デーモン閣下が取組後の力士にインタビューする初の試みまで行われるなど、まさにバラエティーそのもの。放駒理事長(62=元大関魁傑)は「正月だし、ずっと続くということでもない」と黙認したものの、協会執行部の親方衆からは「相撲をバカにしている」などと怒りの声も上がった。

 これに対し中継関係者は「お茶の間にいる雰囲気にしたかった」と説明。同時に別の関係者は「否定的な意見の方が多かったら協会から厳しく言われる可能性はある」とも話し、批判覚悟だったことを明らかにしている。

 なぜそんなリスクを冒してまで“バラエティー化”という冒険に走ったのか。その理由にはもちろん視聴率低迷が大きく関わっている。NHK改革が進められるなか、公共放送とはいえ不人気番組をいつまでも垂れ流すわけにはいかない。何か手を打たなければ「放送打ち切り」という可能性も出てくるからだ。
 初めての試みは場所前の4日にも行った。白鵬のインタビュー収録の際、背景を緑のパネルに統一。NHK関係者は「背景の映像を合成するためで、新規の視聴者を引き込むための演出と聞いている」と明かした。放送では違う背景を合成し、ありきたりなインタビューの雰囲気を変えると見られる。
 いずれの試みも視聴者を楽しませる仕掛け。ただ悲しいかな、協会側は新路線を批判するばかりで、NHK側の意図が角界に伝わっていないのは確かなようだ。

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