市営住宅に組員18人居住　一部は退去拒否

　条例で暴力団員の入居が禁止されている北九州市営住宅に、指定暴力団工藤会系組員計１８人が居住していることが１３日、市などへの取材で分かった。一部は市の退去要請を「近隣に迷惑を掛けていない」などと拒否して住み続けている。

　捜査関係者などによると、居住者には、市の推薦で昨年の国勢調査員に任命された工藤会系組長も含まれている。

　２００８年２月に暴力団員の入居を禁じる条例が施行されて以降、市は県警への照会などで組員計４６人の居住を確認。うち２４人が自主退去し、４人が組から脱退した。

　残る１８人のうち５人と退去交渉したが、一部は「ずっと住んでいる」として拒否したという。

　条例は、暴力団員と判明後は退去を促し、従わない場合は家賃を引き上げた上で組脱退または退去を文書勧告することを規定しており、市は交渉を続けている。

　市の担当者は「２８人を退去、脱退させた取り組みを今後も続けていきたい」と話している。（共同）

　［2011年1月13日12時24分］