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デブ増えてワザ減る大相撲

「昔ははたき込みで負けると、師匠から怒られたものです。『普段の稽古が足りないから、前に手をつくんだ!』と。昔の力士は苦し紛れのはたき込みをされると『ごっつぁんです!』と喜んだもの。相手の両脇があくので両腕を差して攻め込めるからです。ところが、ここ数年ははたき込みに粘れず、アッサリと決着がついてしまう取組が多い。土俵上で力と技の比べ合いがないのです」

 こう言うのは相撲評論家の中澤潔氏だ。

 初場所2日目、白鵬は先場所で優勝決定戦を争った豊ノ島を突き落として2連勝。だが、気になったのが、はたき込みで拍子抜けするほどアッサリ決まった取組の相も変らぬ多さだ。この日は5番、初日は4番もあった。九州場所で白鵬の連勝を63で止めた稀勢の里も、阿覧にはたかれて土をつけられた。

 相撲の傾向が変わったのは何が原因なのか。中澤氏はこう説明する。

「ロクな稽古もせず、太っている力士が増えたからでしょう。食事にしても昔よりも栄養価の高いものばかりを食べているので太るばかり。動きも悪く、技のキレも鈍い。親方も力任せでも何でも『とにかく勝てばいい』と考える者が多いので、技の錬磨もされていない。一方、体重が増えれば立ち合いの当たりは強くなるので、そこで一気に決めようとする。力士は稽古が仕事で、仕事の成果を見せるのが本場所です。不祥事を受けて角界を再生したければ、まずはしっかり稽古をして、面白い相撲を見せるべきです」

 この日も技の攻防はほとんど見られず、技らしい技が決まったのは数えるほどだ。ある調査によれば力士の平均体重は昭和40年代は120キロ台。それが今や150キロ弱になっているそうだ。デブが増えるにつれ、技が減っているのである。

 初日は前日までに残っていた前売りチケットが1110枚。初場所初日で1000枚以上余るのは、5年ぶりだという。当日券が売れ、何とか満員御礼にこぎつけたものの、熱心なファンからは見放されているということだろう。2日目も、2階席に近いマス席はガラガラだった。日本人横綱が誕生しようが、若手が台頭してこようが、こんな取組ばかりでは土俵はすたれるだけである。

(日刊ゲンダイ2011年1月11日掲載)


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