年末年始のテレビは、地デジ対策を求める宣伝番組が目立った。UHFアンテナにはもう代えたか。アナログ放送が終了する7月が近づくとアンテナ工事が集中するから早めに手当てしろ。7月24日以降、アナログテレビは見られなくなるぞ。デジタルテレビのエコポイントは半分になるぞ。毎日のようにデジタル投資への督促である。わが家ではアナログテレビがまだきれいに映るから買い換える予定はない。アンテナをUHFに代える予定もない。もちろん地デジチューナーを買う予 定もない。
それでもわが家の地デジ対策は済んでいる。NTT東が提供しているフレッツテレビを利用しているからだ。通信用光ファイバーを利用して、地デジ放 送をアナログに変換して送ってくれるサービスである。だからチューナーもアンテナもいらない。
契約して分かったのだが、アナログ放送の電波が止まる7月24日以降も地デジをアナログに変換して再送信してくれるから、アナログテレビがそのま ま使える。2015年3月末までそのまま使えるようだ。また多くのチャンネルが配信されるから、BS用パラボラアンテナを設置しなくてもBS放送 を受信できる。データ放送だけは受信できない。
まだきれいに映るアナログテレビを捨ててデジタルテレビに買い換えることがホントにエコになるのか疑問に思っていたが、フレッツテレビなら、アナ ログテレビを捨てなくて済む。昨年秋はデジタルテレビがエコポイントのおかげで飛ぶように売れたそうだが、まだ使えるテレビを捨ててエコポイント つきのテレビを買うことがどれほどエコなのか答えは明らかである。
地デジ対策宣伝番組はこうした通信事業者の地デジ再送信について、いっさい触れていない。総務省地デジコールセンターも口をつぐんでいる。不況対 策としてデジタルテレビに買い換えてもらいたいからだろうか。町の電気工事業者のUHFアンテナ取替え仕事が減るからだろうか。
数年前までにぎやかだった通信と放送の融合という話題はいつの間にか消えた。フレッツテレビは通信と放送の融合を具体的に見せた実例だが、あまり 宣伝したくない背景には何があるのだろうか。