貿易為替制度
為替管理制度
最終更新日: 2010年04月09日
管轄官庁/中央銀行
- ミャンマー中央銀行
ミャンマー中央銀行(Central Bank of Myanmar)
Administration Department
TEL:95-67-410196 FAX:95-67-410049
為替相場管理
- 多重為替相場制(公定レート:1ドル=5.3209チャット<2009年12月>、公認市場レート:1ドル=450チャット<2010年2月末>、実勢レート:1ドル=1,008チャット<2010年2月末)
外国投資法で認可された外国企業と雇用者は、ミャンマー外国貿易銀行(MFTB)等の外貨口座の開設義務有。2,000ドルを超える外貨の持ち込みは入国時に申告義務有り。外貨の現地通貨への交換は公設交換所で可能。外貨送金規制が極めて厳しい。
資本取引、経常取引とも制限されている。
輸入は、輸出により獲得した外貨(輸出外貨:Export Earning Dollar)の保有が前提となるが、貿易取引に絡む外貨の対外送金の制限はない。一方、貿易取引以外の外貨の対外送金は、以前よりも規制が緩和されているが、一定額以上はケースバイケースで判断される。外国為替業務は国営商業銀行2行のみ(ミャンマー外国貿易銀行:MFTB、ミャンマー投資・商業銀行:MICB)が行う。
2,000ドルを超える外貨の持ち込み、持ち出しは、通関の際に申告し、外国為替申告フォーム(Foreign Exchange Declaration Form)に国内での両替の記録を記載することとなっている(出国時には、持込額から両替・国内使用額を差し引いた金額を持ち出すことが可能)。
持ち込まれた外貨を国内で使用する際、まずFEC(Foreign Exchange Certificate)と呼ばれる外貨兌換券に交換することができる(外国人はそのまま外貨を保有していても大きな問題はなく、ホテルなどでは米ドルの使用が認められているところがある)。1FECはミャンマー国内に限り1ドルと同等の価値を保証される。国内通貨を得る場合には、一旦外貨をFECに交換した上で、公認交換所で政府公認市場レート(1FEC=450チャット、2010年2月現在)により交換可能。外為銀行では外貨からチャット、FECからチャットへの交換は行わない。
正規の外国為替レートには、中央銀行の定める公定レート(1ドル=5.3209チャット)と上述の公認市場レートの2種類がある。輸入品価格の査定や輸入関税・商業税の算定には公認市場レートが使われる(2010年1月1日からトラック等の商業用自動車の輸入手続きが緩和したことを受け、同対象品目のみ例外的に1000チャットが適用されている。国境では別のレートが適用されるので注意)。このほかに米ドル実勢レート(1ドル=1,008チャット、2010年2月末現在)やFEC実勢レート(1ドル=1,005チャット、2010年2月末現在)があり、実際の経済活動のほとんどが米ドル実勢レートで行われている(輸出外貨も市場ではチャットの交換レートが存在する)。
貿易取引
- ミャンマーに外貨を持ち込む外国人投資家には国営銀行2行にのみ外貨口座の保持が認められる。
ミャンマーにおける外貨管理は、財政歳入省の指示の下、ミャンマー中央銀行の外貨管理部(FEMD, Foreign Exchange Management Department)および外貨管理委員会(Exchange Management Board)が行なっている。
また、外貨口座はすべて国営銀行が管理することとなっているので、輸出代金の受領や海外送金はMFTB(ミャンマー外国貿易銀行)もしくはMICB(ミャンマー投資商業銀行)を使って行わなければならない。
ミャンマーに外貨を持ち込む外国人投資家、およびミャンマーに外貨収入をもたらす外国人投資家に対しては、国内銀行における外貨口座の保持が認められている。
ミャンマーへの外貨持ち込みの上限はないが、2,000ドル以上の外貨を持ち込む場合には、当局に持ち込み申請をしなければならない(観光ビザでの外国人入国者は、200ドル相当分の外貨をFECに両替することが義務付けられていたが、2003年以降廃止された)。
ドルは、ミャンマー国内の商取引で広く用いられている。その他の外国通貨の使用は一般的ではなく、交換も限られた場所でしか行えない(ただし、タイ・バーツ、中国元は国境取引の際に使用されている)。外貨の現地通貨チャットへの交換は政府が公認した公設交換所にて可能である。ただし実勢よりは不利なレートが適用される。
なお、国内通貨チャットは海外では流通しておらず、チャットの輸出入も禁じられている。
(国内通貨)
国内通貨はチャットである。紙幣は5,000、1,000、500、200、100、90、50、45、20、15、10、5の12種類が発行されているが、90、45、15、1は一般には流通していない。硬貨は、1チャット、50ピャ、25ピャ、10ピャ、5ピャ、1ピャの6種類が発行されているが、一般には流通していない。チャットは国外への持ち出しが禁じられている。
(海外送金)
ミャンマーは特に97年以降外貨準備高が極端に減少したことを背景に、年々政府の規制が強化され、2000年8月1日以降、FECを原資とする外貨送金については1ヵ月あたり1万ドル以内に制限されていた。しかしながら、昨今の外貨準備高の回復を背景にしてか、同制限は無くなっている。上述したとおり、輸入は、輸出により獲得した外貨の保有が前提となるが、貿易取引に絡む外貨の対外送金の制限はない。一方、貿易取引以外の外貨の対外送金については、以前よりも規制が緩和され送金しやすくなっているが、一定額以上の場合はケースバイケースでFEMDにより判断される。
貿易外取引
- 同上
資本取引
- 外国為替業務を認められている銀行は、ミャンマー投資商業銀行(MICB)、ミャンマー外国貿易銀行(MFTB)の国営銀行2行のみ。
(銀行口座の開設)
現在ミャンマーにおいて外国為替業務を認められている銀行は下記の国営銀行2行のみである。
ミャンマー外国貿易銀行(Myanmar Foreign Trade Bank)
ミャンマー投資商業銀行(Myanmar Investment & Commercial Bank)
(銀行口座開設手続)
取締役もしくは支店責任者による署名が行なわれた銀行口座開設申込書を以下の書類とともに銀行に提出する。
・銀行の指定する申込書
・会社設立証書
・事業許可証
・輸出業者登録カード(輸入業者登録カード)
・書式VI(株主出資リスト)
・書式XXVI(取締役、経営者、支配人に関する詳細とその変更)
・取締役会の決議書もしくは信任状
・会社の定款(基本定款、通常定款)
・口座に関する署名権限を与えられる者のパスポートの写し
・口座に関する署名権限を与えられる者各人の署名の写し(2通ずつ)
関連法
- 1990年中央銀行法
その他
- 特になし。