元国情院長「延坪島砲撃は現政権が招いた」(上)

金万福元国家情報院長が日本の左翼系月刊誌『世界』に寄稿

金万福(キム・マンボク)元国家情報院長
 かつて韓国で情報機関のトップを務めた人物が、日本の左翼系月刊誌に寄稿し、その中で北朝鮮による延坪島砲撃について「李明博(イ・ミョンバク)政権による“北朝鮮との対決政策”がもたらしたもの」という趣旨の主張を行った。この人物は「延坪敗戦」という屈辱的な表現を使い、さらに「哨戒艦沈没は北朝鮮による犯行」とする韓国政府の調査結果に対しても、事実上否定した。

 盧武鉉(ノ・ムヒョン)前政権で国家情報院長を務めた金万福(キム・マンボク)氏は、日本の月刊誌『世界』2月号に、「紛争の海・西海(黄海)を平和と繁栄の海にするために」と題する寄稿を行い、その中で「緊張が高まっている韓半島(朝鮮半島)の状況は、“李明博(イ・ミョンバク)政権が北朝鮮崩壊論を確信し、南北関係を悪化させた結果”という普段から抱いていた思いを確信に至らしめた」とする自らの考えを示した。

 金氏は2007年に行われた南北首脳会談でのやりとりも公開した。同氏によると、この首脳会談では西海での緊張緩和に向けた合意も取り交わされていたが、それが現政権に入って完全に覆されたという。同氏は「李明博政権は韓米同盟に完全に没頭し、韓米日3カ国による戦略的協議を強化した」と主張した。また、国連による北朝鮮人権問題糾弾決議で韓国政府が中心的な役割を果たしたことも問題視し、「北朝鮮崩壊政策を一貫して推し進めたもの」と非難した。さらに「北朝鮮による核の先制攻撃が近づいた場合、北朝鮮の核施設に攻撃を加えることも辞さないというが、これは冷戦時代的な対決政策への後戻りだ」「今に至っては、第2の韓国戦争(朝鮮戦争)あるいは第3次世界大戦の火薬庫となった」と主張した。

 「延坪島が砲撃された原因は、韓国が北朝鮮の警告を無視した結果」と解釈できる内容もあった。金氏は「(昨年)11月23日午前、北側は韓国軍の海上射撃訓練について“北に対する事実上の攻撃行為と見なす”とする警告文を何度も送っていた。しかし韓国軍は予定通り、11月23日午後2時5分まで射撃訓練を続けた。(その直後の)2時34分に北朝鮮は、延坪島に150発の砲弾を撃ち込んだ」と自らが考える経緯を説明した。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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