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AIG、台湾生保子会社を潤成投資に売却へ

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 【台北】米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は、台湾の生命保険子会社の南山人寿保険を21億6000万米ドル(1800億円)で潤成投資に売却する契約に調印する計画だ。

イメージ Associated Press

 金融危機の最中に米政府の救済措置を受けたAIGが資金の返済に苦しむなか、契約は成立した。AIGのロバート・ベンモシェ最高経営責任者(CEO)は12日の声明で、「潤成投資の構成企業は、台湾で高い評価を得ている。事業運営、資金調達の両面でAIGの入札基準を十二分に満たす」と述べた。

 AIGは南山人寿保険の落札企業に、スーパーマーケットからセメントまでを扱う複合企業の潤成投資を選んだ。ほかに金融持ち株会社が札を入れていた。

 AIGは当初、香港に拠点を置く買い手に21億5000万ドルでの南山人寿の売却を決めたが、規制当局により売却は阻止された。今回は2回目の売却の試みとなるが、まだ、台湾の規制当局、金融監督管理委員会(FSC)の承認を得る必要があるという。

 潤成投資は保険事業の経験が豊富でないため、FSCが再び、懸念を表明する可能性はある。FSCは昨年8月、香港の金融サービス、プリマス・ファイナンシャル・ホールディングスと香港上場の中策集団によるコンソーシアムによる南山人寿の買収計画を阻止した。中策集団の財務状況と南山人寿へのコミットメントに対する懸念を理由に挙げた。

 台湾と中国本土を専門とするコンサルタント、エンハンス・インターナショナルのマネジング・パートナー、サム・ラドワン氏は「驚くべき結果だ」と述べた。

 FSCは、買い手の財務が健全か、保険事業の経験があるか、契約者と従業員に適切に対応するか、長期間コミットするか、将来の資金調達ニーズを満たせるか、といったことを審査する。

 潤成投資は、潤泰創新国際と潤泰紡織、宝成工業が南山人寿の売却に入札することを目的に12月に設立した合弁会社。

 潤泰は1986年にオランダのINGグループの台湾保険子会社に20%出資した経験を持つが、01年に全株式をINGに売り戻した。ラドワン氏は、これを保険事業の経験とみなすべきかどうかをFSCは検討するだろう、と述べた。

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日本版コラム〔1月12日更新〕