あたしと大切な人のお話。
テーマ:ブログこんにちわ。
どうも仕事モードのスイッチが入らないサナです。
患者さんもいないので、ちょっと過去話でも綴ろうかと思います。
アメンバーさまの中には、知らない人もいるかも知れませんが、あたしはバツイチです。
で、大切な人とは元・旦那さまになります。
あたしと元・旦那さまの間には今、4歳になる息子がいます。
息子はパパの顔を知りません生まれた時からパパがいないから・・・。
過去ブログにも簡単にしか書いてないかと思いますが、元・旦那さまは、バイクのレーサーでした。
もちろんアマチュアです。
お仕事しながら趣味でしていました。
でもね、最初はメカニックだったんです。
彼・・・車のホンダが経営してるホンダ学園という整備士さんを育てる専門学校に行って、一流の整備士さんとしてダイドーミュウレーシングという全日本GPチームのメカニックの仕事をしてました。
けど・・・彼のお兄さんがレース中の事故の後遺症でレースができなくなり、兄ちゃんの夢を叶えたいといってレースをしだしました。
お兄さんの夢はもちろん、全日本選手権にでること。
小さい頃は兄弟でレースをしていたので、彼もブランクはあるもののレース自体に抵抗とかありませんでした。
レースにはケガがつきものです。
転倒して無事な方がすごいぐらいなんです。
レースは必ずくっついて観にいってました。
心配ってのが一番でしたが、彼の悪い癖で夢中になるとご飯を食べなくなる・自分の周りの事をしなくなるってのがあったので、ご飯の支度をするってのと(レーサーさんはだいたいがコンロとか持っていってて、ピットの外でご飯作って食べますw)彼がちらかしたピットを片すのがあたしの役目でした^^;
あとは、あたしの動体視力のよさを彼がかって、RAPタイムのボードをプラットホームから出すのが仕事でした。
そんなこんなで大きなケガもなく・・・ずっと傍で見守りながらレースをしてたんですが、あの日だけが行けなかったんです。
あの日は、あたしの出産予定日1週間前でした。
初産だし、いつ生まれてもおかしくない(ずっと切迫早産の危険があったのでお薬で治療してました)状況だったので、仕方なく断念・・・・
彼だけ岡山にある岡山国際サーキット(TIサーキット)に向かいました。
あたし元々、心配性なのですが・・・妊娠中ってそういうのがもっと激しくなるので、それを知っていた彼は、実家にいるあたしに心配かけないように・・・・と細かいタイムスケジュール通り電話をくれました。
『車両チェックに行きよる。整備完璧やし大丈夫やわ』
『今から予選やねん。行って来るね~』
『予選○位だった~スタート○番グリットやわ』
そうやって終わるたびに、始まるたびに教えてくれてました。
で、この日の朝からなんですが、虫の知らせというのか・・・第6感というのか・・・・なんだかすごい嫌な感じがして怖いって思ってたあたし・・・。
おかんも仕事に行く前にあたしを起こしてまで何かを言うことなんてなかったのに、その日だけはわざわざ起こして
『ちょっと!なんか嫌な予感するから、今日あの子に走るのやめなさいって言いなさい』
・・・と言って出て行きました。
だから、電話が来るたび『今日、やめとこ』と言ってたんですが、『大丈夫やって』といって真剣に受けてくれず・・・
そうこうしてるうちに本番の時間がやってきました。
この時、切迫早産を抑えるための薬が効いてきて、意識もうろうとしていたあたし。
それでも彼を止めなきゃ・・・って思いながらケータイを握り締めていると彼からの着信が・・・。
『行ってくるわ^^終わったら電話するから』
『待って・・・・あかんって・・・』
『ん?なに?聞き取りにくいなぁ。・・・・あ。薬きいてきたんやろ?ええで~寝なぁ。終わったらちゃんと連絡するから。ほな、いってくるなぁ』
これが最後の会話でした。
あたしは伝えたいことが伝えれないまま・・・そのまま眠りに。
彼はピットにちゃんと帰るっていうあたしとの約束と共にレースへ。
彼の事故は、レース序盤だったそうです。
4年たった今もどういう事故だったのか謎のままです。
ただ、いろんな人の話をパズルのピースみたいに合わせていくと
・彼は、先頭から真ん中あたりを走行していた。
・彼より前に転倒していた選手がいた。
・彼はその人を避けようとして事故にあった。
・避けた先がグラベル(砂利)で、ハイサイド(バイクと走行者が吹っ飛ぶこと)を恐れてバイクから手を離すこと ができず、そのままグラベルをつっき抜けてクッションスポンジに激突した
・バイクはクッションスポンジで止まったが彼の体は宙をまってワイヤーロープにひっかかった。
・逆さまに倒立した状態でひっかかっていた。
・高速コーナーのため、オフィシャルスタッフが救出するのに時間がかかった
・・・などがわかりました。
そして、1つ残る疑問として・・・最初に転倒していた選手がいたのなら、その人はもろに彼の事故を目の当たりにしてるはずなのに、あたしが詳しい事故原因が知りたいといろんな人に聞きまくってるのにも関わらず・・・名乗りでてこなかったこと。
これがずーーーとあります。
バイクレースの世界って狭いから噂なりなんなり・・・誰かから必ず聞いているだろうに言ってこなかった。
どうなったのか知りたいだけやのに・・・そしらぬ顔して今もレースしてるんか思ったら腹が立ちます。
・・・あたしが眠りに落ちてから気付いたのはお昼の12時を回ってました。
飛び起きて、手に持っていたケータイの画面をみて、彼からの着信がないのに変な緊張を感じたの今も覚えてます。
電話をかけてもかけても出ない彼。
10回ぐらいかけて出なかったので、サーキットに電話すると女性が電話を受けたのに『お待ちください』の後に出てきたのは男性。
『奥さんですか?連絡が遅れて申し訳ありません。Mさんは事故に遭われてドクターヘリでK医大に搬送されました』
これを聞いた瞬間、あたしの中には二人のあたしが存在しました。
妻であるあたし。冷静になれないパニック状態。
看護師であるあたし。冷静でドクターヘリで搬送といっても状態がわからないんだから落ち着けってなってる状態。
でも、妻であるあたしが勝ちました。
電話を切ってからこんなに大声で叫んだことないってなぐらい、おっきな声で泣きました。
その声にびっくりしてリビングにとんでくるおかん。
あたしの泣き声と泣き顔で全てを悟って『行くで!!どこにおんねん?あの子』と1分後には家を出てました。
彼が搬送されたK医大にはお兄さん・レース仲間の人がいました。
どういう状態かすぐに知りたかったけど、看護師からはムンテラ(病状説明)まで待てと制止されました。
でも・・・ドアのわずかな隙間からみえる彼の姿は、挿管されてアンビューを押しているDrの姿。
バタバタと走りまわる看護師とレジデントかインターンの姿・・・・。
正直、良くない状態ではないということは、素人が見てもわかるような状況でした。
20分ぐらいして、Drが状況を説明しますと部屋に案内してくれました。
Drが話す前に
『あたしは看護師です。レントゲンはある程度、読めます。だから隠さないで全部言って下さい』
と言うと、『わかりました。全てお話します』とレントゲンをシャーカステンに貼り付けていきました。
貼られたレントゲンを見た瞬間・・・息を呑みました。
同時に『先生・・・・言わなくて結構です・・・。母と義兄は医療関係者ではないので、わかるようにはなしてください。あたしはココからでます・・・。』と退席しました。
そのレントゲンを見ながら、とてもDrの話を聞く精神状態になれなかったからです・・・。
彼は、脳幹といって人間の一番損傷してはならないところを損傷してました。
レントゲンは血液でしょうね・・・脳幹が真っ白に写ってました。
もって1日。
さらにもっても植物人間。
それ以上の回復も全く望めない。
それぐらいすさまじいレントゲンだったんです・・・。
10年近く看護師していて、彼以上のレントゲンを未だみたことはないです。これが4年前の11月12日の出来事でした。
この8日後に息子は54時間26分かけてこの世に出てきました。
息子の名前は、彼が決める予定でした。
全くどんな名前にするって聞いてなかったあたし。
唯一、彼がひらがなに直すと4文字。
あたしが2文字。
だから、3文字がいいなぁってことだけ聞いてたので・・・それはその通りにしてあげなくちゃと思い・・・・
彼のような優しい人間になって欲しくて『優人(ユウト)』って名前にしました。
最近、優人はパパはどこにいるの?と聞いてくるようになりました。
そろそろちゃんと教えないといけないかなって思ってます。
もしも・・・・・おしゃべりしない・ご飯食べない・笑わない・動かないパパを見たらどういう反応するんだろう・・・
今、彼がどこの病院にいるのかわかりません。
義兄に面会にくることを拒まれているからです。
状態が知りたいのに、事故にあったのはあたしのせいだといって情報の一切を教えてくれないんです。
会いたいんですけどね・・・・
子供もこんなにおっきくなったよって見せてあげたいんだけどな・・・・
なんか長くなっちゃったな。
時々、心の整理ができなくて・・・文字にしたら整理つくかなって思って書きました。
アメンバーさま、ごめんなさい。
1 ■無題
お久しぶりです。
実際のところは、チョコチョコ覗いては、いたんですが、コメサボってました(笑)
私もバイクに乗ってます。
もちろん事故も何度か経験しました。
まわりからは、バイク便に乗る事を不安に思い、辞めるようにも言われています。
実は、去年の9月に友人がバイクの事故で他界しました。
もの凄くショックで言葉にならないくらいでした。
バイクに乗ると言うことは、こう言う事もあり得るという現実を突きつけられてしまいました。
サナさんの辛いお気持ち、少しはわかる気がします。
きっと、私の思っている以上の哀しみなんでしょうね。
自分でも何を伝えたいのか、良くわかりませんが、どうしてもコメしたくなりました。
私も少しは、周りの声に耳を傾け、私が事故にあった時に哀しんでくれる人の為にも安全にさらに気をつけて、バイクに乗りたいと再認識させていただきました。
本当にありがとうございました。
お辛いでしょうが、お子さんの為にも明るく元気でいてくださいね!
長文、失礼しました。