2011年1月12日、小説家の架神恭介氏が、執筆中の小説に対して出版社から表現の修正を求める電話を受けていたことをTwitter上で明らかにした。
「来たよ! 表現の直し要求来たよ! 出版社、都条例に萎縮してるよ! アニメじゃないよ、漫画じゃないよ、小説に来たんだよ!!」
架神氏はTwitterでこのようにつぶやいた。修正の具体的な内容は明らかにされていないが、未成年のレイプシーンの表現方法が問題視されたようだと架神氏は述べている。
架神氏は、『よいこの君主論』や『完全教祖マニュアル』などの著作があり、『戦闘破壊学園ダンゲロス』では、第3回講談社BOX新人賞を受賞している。
この事態に架神氏は「対象はアニメ漫画であっても、実際には小説まで影響を受ける。これが現実かー。」「いやあもう悔しさ通り越して笑えてきた。」とツイートし、無力感をあらわにした。また、出版社の動きに対しては、「やっぱ出版社はびびるんすよ。それが分かってるから事前に反対してたんだと思います。でも、可決した以上は講談社の態度も仕方ない。」と理解を示した。その上で、「やっぱ都条例はなんとしても潰すべきもんだったなあ」と、都条例改正の影響の広がりを改めて認識したようだ。
これに対して、ツイッター上で意見を求められた東京都副知事の猪瀬直樹氏は、「編集者が作家に書き直しを要求することはあたりまえ。某有名作家は世に出る前、書き直し原稿が天井の高さにまでなった。スキルの問題。」とツイートしている。
(村井七緒子)