老夫婦殺害:死刑求刑…被告は全面否認 鹿児島地裁

2010年11月17日 15時2分 更新:11月17日 15時4分

 鹿児島市で09年、高齢者夫婦を殺害したとして強盗殺人罪などに問われた白浜政広被告(71)の裁判員裁判で、論告求刑公判が17日、鹿児島地裁(平島正道裁判長)で開かれた。検察側は「被告に謝罪がなく、死刑を回避できる事情は一切ない」として白浜被告に死刑を求刑した。白浜被告は起訴内容を全面否認して争っており、裁判員裁判で無罪主張の被告に死刑が求刑されるのは初めて。裁判員はかつてない難しい判断を迫られることになる。

 白浜被告は2日の初公判で「現場に行ったことはありません」と主張。16日の第9回公判までに、捜査員や遺族ら27人の証人尋問と被害者宅の現場検証が実施された。17日は検察側の論告求刑に先立ち、被害者遺族が意見陳述した。弁護側の最終弁論を経て17日午後に結審し、12月10日に判決が言い渡される予定。

 起訴状によると、白浜被告は09年6月18日午後4時半から19日午前6時までの間、金品を奪う目的で蔵ノ下忠さん(当時91歳)方に侵入し、忠さんと妻ハツエさん(同87歳)の頭などをスコップで殴り殺害したとされる。

 裁判員裁判での死刑求刑は東京、横浜地裁の2例のみ。いずれも被告側が起訴内容を認めて量刑を争っていた。東京は無期懲役、横浜は死刑判決を言い渡している。【川島紘一、黒澤敬太郎、遠山和宏】

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