北方領土:ロシア、領土交渉凍結か…現地紙報道

2010年11月15日 23時53分 更新:11月16日 8時47分

 【モスクワ大前仁】15日付のロシア有力紙コメルサントは日露両国の首脳会談(13日)に関連し、ロシア政府が今後、北方領土の歯舞、色丹両島の引き渡し交渉に応じない方針だと報じた。ロシア消息筋によるもので、ロシアは領土交渉を事実上凍結する立場を取った可能性がある。

 消息筋によると、ロシア政府は平和条約締結後の2島引き渡しを明記した共同宣言(56年)を放棄しないものの、領土交渉はしないという。同筋は「日本は我々がまず2島を引き渡した後、すべての島を渡すと思っていたが、これらの島(=四島)がロシア領であるとの立場を取っている」と強調したという。

 日本外交筋は取材に対し、ロシア側が首脳会談を通じて「立場の変更を伝えてきたことはない」と指摘した。日露両政府は2000年代初め、まずは歯舞、色丹両島を引き渡した後、国後、択捉両島の帰属を話し合う「並行協議」を検討した経緯がある。消息筋が「領土交渉しない」というのは、この並行協議を指している可能性もある。

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