スーチーさん軟禁解除:米欧、政権をけん制

2010年11月13日 23時53分

 【バンコク矢野純一】ミャンマー軍事政権による20年ぶりの総選挙と7年半ぶりのアウンサンスーチーさんの軟禁解除。軍部による支配が固定化しそうな情勢下、米欧など国際社会からは「総選挙は自由、公正なものではなかった」「スーチーさんに自由な活動を」と政権側をけん制する声が目立った。

 来日中のオバマ米大統領はスーチーさんを「私の英雄だ」としたうえ、軍政に対し「すべての政治犯を解放すべきで、国民が恐怖と迫害から解放される日を、待ち望んでいる」と、今後の動きを注視するとした。欧州連合(EU)のバローゾ委員長も「スーチーさんの自由な活動」を求めた。

 スーチーさん抜きで行われた総選挙が政権翼賛政党の「圧勝」に終わった結果、米国やEUが早期の制裁解除など軍政に対する強硬姿勢を撤回するのは困難だ。その一方で、中国がインド洋への進出を狙ってミャンマーへの影響力を強める中、長期的にはミャンマーと関係を改善せざるを得ないとの見方もある。

 AFP通信によると、英国のヘイグ外相は「解放はミャンマーの多くの問題の解決を促進する。軍事政権は彼女と真の対話を始めるべきだ」とし、軍事政権にスーチーさん側との協力関係の構築を求めた。

 在ヤンゴン外交筋によると、ミャンマーの元宗主国としてEU全体の対ミャンマー政策を主導する英国は、スーチーさん寄りの姿勢を示してきたブラウン前首相の退陣で、軍政への姿勢が微妙に軟化しているという。

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