2010年11月13日 0時1分 更新:11月13日 0時24分
会社更生手続き中の日本航空は12日、パイロットと客室乗務員を対象に、一方的に雇用関係を解除する「整理解雇」に踏み切る方針を決めた。対象は100人超に上る見通し。関係者へ説明した上で、週明け15日に発表する。更生計画案を提出している東京地裁に、解雇対象者選びの基準を示し、了解を得られれば12月にも整理解雇を実施する。
日航は年度内にグループで1万6000人の人員を削減する計画を示している。この一環として、9月から本体の全職種を対象に、3次にわたり計1560人の希望退職を募集してきた。
しかし、最終締め切りの9日になっても、パイロットと客室乗務員の応募が目標を百数十人下回ったとして、12日午前の役員会で対応策を協議。解雇に慎重だった稲盛和夫会長も「従業員への説明は尽くした」として解雇方針を了承した。15日以降も希望退職への応募があれば対応する。
経営陣は近く労組に整理解雇を通告する方針。しかし、労組側は「(労働時間の短縮などで仕事を分け合う)ワークシェアリングなどで対応が可能」などと訴えており、抵抗する構えを見せている。【山本明彦】