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“祭り”感覚で広がる「タイガーマスク運動」

タイガーマスクにあさりちゃん、VIPPER──全国に広がった子どもたちへのプレゼント。その背景について、専門家がコメント。
2011年01月12日 15時55分 更新
photo 続々と贈られる善意のプレゼント。写真は長崎市の長崎こども・女性・障害者支援センターに届けられたランドセル【拡大】

 全国各地で起きているタイガーマスク「伊達直人」名義の子供たちへのプレゼント。12日朝までに確認されただけでも43都道府県に達し、個人の善意が瞬く間に社会運動へ発展した。景気悪化が長引き、多くの人が懐が厳しい昨今。それでも1個2〜4万円と安くはないランドセルを、いくつも届ける背景には何があるのか。専門家に聞いた。

 善意の行動を起こすタイガーマスクが漫画雑誌やアニメで活躍したのは1960年代後半から70年代前半。それ以降に生まれた若い世代の人たちにとって「伊達直人」はなじみが薄い。

 新潟青陵大学大学院の碓井真史教授(社会心理学)は今回の現象を、「日本では寄付は恥ずかしいという気持ちが出るが、伊達直人を名乗ることで遊び感覚が働き、やってみようという気になれたのだろう。作中でも寄付をしていた登場人物だからこそ共感を呼んだ」と指摘する。「贈り主の多くは漫画やアニメでタイガーマスクを見ていた40〜60代」と予想する。

 一方で横浜では漫画「あさりちゃん」のキャラクター「浜野あさり」、奈良では「せんとくんの友人」、山口は宮崎駿監督のアニメ映画「天空の城ラピュタ」に出てくるムスカなど、伊達直人より若い世代も、善意の気持ちを奮い立たせていることをのぞかせる。

 臨床心理士の矢幡洋さんは「最初の贈り主は50代前後かもしれないが、経済的余裕のある30〜40代が加わったのではないか」と分析。「インターネット上の『祭り』と呼ばれる感覚で、自分たちでブームを広げようという意図がみえる。善意の表現も時代性が出ているといえるのではないか」と分析している。

 精神科医の日向野春総さんは「昔から、自分の名前を出さずに不幸な人へささやかな寄進をするのは、日本人の美徳とされた。決して悪くはない行為だが、内向きで自己満足に陥ってしまう。逆に欧米のように個人で名前を出して、巨額の寄付を行った場合、批判が出てくる。一大改革の方向には向かっていない」と話す。一過性で終わるのかそれとも……。

[ZAKZAK]

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