【民主議員総会速報】(5完)首相「私は最も挙党態勢を望み、願っている一人だ」
産経新聞 1月12日(水)17時1分配信
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民主党両院議員総会後に、会場を出る小沢一郎元代表=12日午後、東京・憲政記念館(鈴木健児撮影)(写真:産経新聞) |
瑞慶覧氏「不条理といえば、首相は琉球処分の本も読んだときく。不条理がたくさん詰まっていると思う。明日の党大会では、不条理をただすのはどういうことか具体的に挙げてほしい。普天間は沖縄だけにとどまらず、民主党に期待がかかった。党大会で述べてほしい」
(鳩山グループ川内博史衆院議員=5回=も立ち上がって発言。やはり小沢氏支持)
川内氏「党執行部や閣僚の日々の精励に敬意を表したい。旧政権で考えられない改革がなされているのも事実だ。地元では説明している。国民の見方というか視線は非常に厳しい。現実のことだ。地方選の結果にも表れている。4月の統一選を考えれば、挙党態勢をしっかり組んで、予算、法律案を通す態勢を作らないとならない」
「岡田幹事長は、挙党態勢は菅代表を支えることだとおっしゃった。確かにそうだ。しかし、執行部、代表や幹事長は支えてもらえるような配慮、方法をしっかりと考えないとならないのも事実だ。先程、『内紛でない』とおっしゃったが、『世間ではそう言われているのだ』と肝に銘じてあたらなければならない」
「挙党態勢を構築するにあたって、唯一の旗とすべきは09マニフェストだ。マニフェストを掲げて戦い、検証するでは私は困る。マニフェストは何が何でも実現するのだ。活動方針にも『着実に実現をはかる』とある。民主党は何を信用すればいいのか分からない。国民との約束を守る上で、内閣改造の代表の言及がない。どんな方針でどんな挙党態勢をつくることが今年の年頭にあたっての考えか。具体的に話をいただきたい。両院総会承認マターだと頭に入れて答弁をいただきたい」
(中野会長が岡田氏に発言を求める)
岡田氏「先程、両院総会を、統一選に向かって国民の期待が政権交代してよかったというだけのスタートにしたいと。改めて申しあげたい。どうしたら統一選に勝てるのか。いろんな意見がある。大事なことは、政権交代して民主党政権ができた。みんなで選んだ菅首相だ。みんなが一つになってまとまっている姿を見せる。一丸となって頑張っているという姿を感じないと」
(小沢氏支持の議員らからヤジが相次ぐも、岡田氏は発言を続けた)
「自由な議論はいい。だから、今している。会場の中でだまっておられる方に同じ思いの方もいると思う」
(今度は非小沢系議員から拍手。しかし、すかさず小沢氏支持議員から「こういうのが内紛だ」とやじ)
「みんなで力を集めた政権交代。国民が期待している。一人一人が自覚を持たなければならない。その上でいくつか申しあげたい」
「米長さんは『国民は政治とカネは気にしてない』と言ったが、メディアが報じているアンケート調査の結果はふまえて、やっていく必要がある。森さんから話があった。『たちあがれ日本との連立は私の責任だ』と説明したつもりだ。国会改革について意見をいただいたが、問責のあり方とか両院協議会のあり方について、京の役員会で議論して意思統一した。役員会メンバーで共通認識を持って進めている」
(森氏が「ハッキリ説明して」とやじ)
「明日、(国会改革案を)持ち出すことを考えてない。役員会で議論したうえで、タイミングをみて提案したい。具体的なことは役員会、参院議員会長をはじめお互いに相談をしながら進めている。ある程度任せてもらいたい。とにかく、国会も始まる。国民も両院総会をみている。党はいろんな議論があっていいが、最終的に菅総理のもとでまとまって国会を議論していく。党を運営するのがどれだけ国民が納得するか。それに多くのことがかかっている。幹事長として非力ながらやってきた。今後、人事がどうなるかわからないが、党が一つにまとまって発揮できるように考えたい」
(大きな拍手と「答弁漏れだ」とのやじが入り乱れる。続いて、菅首相が締めの答弁で登壇。ただ、冒頭のような覇気はない)
首相「大変多くの議論をいただいた。最初は横粂)さんから激励と叱咤(しった)が入った。しっかり受け止めて頑張りたい。私のなかで印象深く聞いたのについて考え方を申しあげたい。舟山さんが『新自由主義的政策になっている』と言った。私は長々と政策の議論はしないが、特に経済について『第一、第二、第三の道』と申しあげて、小泉・竹中時代はデフレ経済で促進するとか、リストラしていくことが企業を立て直すことになる。格差が拡大し、マクロ経済もうまくいかなかった。それに対し、雇用を中心に、政調と同時に、そういう形ではない第3の道をとるべきと一貫して言ってきている。少なくとも小泉・竹中時代のように、リストラで経済を立て直す、株主が会社を持っているという考えとは全く違う路線を民主党は持っていると思って聞いた」
「多くの方から、浜本さん、柚木さんからも、民主党がやっていることは、お互い当然知っているが、いいことは沢山あるが、必ずしも十分に私たち自身を含めて伝えることができていない。そのためのツールが不足している。強く強く反省している」
「冒頭、若干言い訳めいたが、国会質疑に忙殺されて、国会で質問に答えるなかで、必ずしも言いたいことを聞いてくれない。私が経済成長、社会保障、財政再建、地方分権、国民が参加する外交といった5つの政策を臨時国会で申しあげ、『これ以上先送りできないので議論しよう』と申しあげたが、残念ながらそうした議論は本会議でもされないままに国会が推移した。もっともっと、これからは国会質疑も重要だが、質疑を通して、そういう場で不足であれば、もっと直接的に国民に伝える努力をしなければならないと考える」
「徳永さんから、仲間の地方議員の苦しさについて話があった。私も自分の選挙を13回やって、地方議員も超えた回数やって、私たちの責任で大変厳しい選挙戦が続いていることについて、私なりに苦しい思いを持っているのは当然だ。どうはね返していくか。やっていることがまずいか。やっているけど、伝え切れていないのか。両面で考えなければならない」
「たとえば、待機児童ゼロ作戦をつくった。大都市部に大きな課題があるかもしれない。200億円を予算に積んでいる。一括交付金の話も出たが、28億円しか補助金を一括交付金に変えるものを出してこない。名前を出せとたたいたら、5000億円余りの一括交付金が出た。上田(清司埼玉県)知事や大阪府知事はわが党と微妙だが、『画期的』と評価している。課題についてしっかりと伝えていくことが、地道なようで、これ以外の形でのやり方は他もあるかもしれないが、もっとも重要な課題ではないか」
「瑞慶覧さんからは沖縄の課題について『明日にも』と。先だって、記者会見で琉球新報から不条理に普天間も入るかと聞かれた。沖縄の基地があまり減少しなかったのは不条理と私も受け止めていると申しあげた。そういう認識を持ちながら、いかに基地負担を軽減するのか。しっかり考えなければ」
「最後に挙党態勢。政治とカネもいろんな意見が出た。少なくとも私に対して予算委では、野党から何度となく激しく見解をただされた。小沢元代表の件は、小沢先生ご本人が説明されるから、そういうことだと国会答弁でも何度となく答弁した。岡田幹事長が中心になって手はずをすすめ、小沢元代表自ら、『政倫審に出る』と言っておられる。そのことで、一つの形が動いていけるのではないか。この問題は政策議論と違う」
「消費税、TPPはどうか。大いに議論すればいい。政治とカネの一般議論ならできるが、特定の政治家のカネについて、私以外のことは答えようがない。問題は本人が答えるしかない。そのなかで、国民の皆さんが理解すれば、越えていくことができると考える」
「挙党態勢の言葉、ノーサイドはその通り申しあげた。代表に再度選んでいただいたときも、その姿勢で進めると申しあげて、多くが党の役職についていただいて、412人内閣の方向で代表に選んでいただいたときに、申し出てお引き受けいただいたみなさんには、ほぼ全員に何らかのことをお願いした」
「挙党態勢は代表に選んでいただいたから独裁的にやっていもよい権限をいただいたとは思ってない。ただ、何とか負けた後に、代表代行を務めたり、私なりに党の代表を支えて頑張ってきたつもりだ。やはり、2年おきというルールのなかで党の代表を決める。9月の代表選は党員サポーター、国会議員が賛同しての本格的な代表選だ。そのなかで選んだそのなかで、私が少なくとも代表選で『クリーンでオープンな政治を目指したい』と。私はその認識のもとで進める。そういった意味で挙党態勢の意味内容について、私は最も挙党態勢を望み、最も願っている一人であると自信を持って私の答弁に代えさせていただく」
(大きな拍手の中、中野会長が総会の閉会を宣言)
=(完)
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最終更新:1月12日(水)17時1分
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