機関投資家が日本株を再評価、1月設定の株式投信が注目集める
[東京 11日 ロイター] 機関投資家らの日本株に対する見方が強気になってきている。世界的な景気回復を背景とした日本の企業業績の回復などがその理由。日本株を対象とした投資信託の設定も昨年末から目立ってきた。市場関係者らの間では、こうした日本株ファンドの募集状況に注目が集まっている。
また昨年秋から買い越しが続く外国人投資家についても、本格的な買いはこれからとみる向きもあり、日本株への資金流入と相場の底上げが期待されている。
<日本株再評価で、株式投信の設定相次ぐ>
日興アセットは2年半ぶりとなる日本株ファンド「原点回帰・日本株ファンド(愛称:円活)」(販売はコスモ証券)を10年12月29日に設定した。日本株の上昇が顕在化するとみているためで、予想配当利回りが市場平均以上の銘柄を主な投資対象に、配当の裏付けとなるキャッシュフローにも注目し、配当原資を安定的に創出している企業などから厳選した50銘柄程度に投資する。他にも12月は岡三アセットマネジメントが、世界が注目する次世代産業を担うニューテクノロジーに強みを持つ日本企業の株式に投資する「日本ニューテクノロジー・オープン」(販売は岡三証券)を設定。当初設定額では日興アセットの「円活」を上回る資金を集めた。
昨年末からの日本株上昇で、市場関係者の間では日本株投信の新規設定にも注目が集まっている。1月は野村アセットマネジメントが純粋な日本株投資ファンド、単位型の「野村日本割安低位株投信1101」(販売は野村証券)の設定を1月27日予定している。流動性があり株価水準が低位な銘柄の中から、実績PBR・予想PERの観点から割安な銘柄に投資する。
他にも原資産が日本株の通貨選択型「野村日本ブランド株投資(資源国通貨コース)毎月分配型/年2回決算型、野村日本ブランド株投資(アジア通貨コース)毎月分配型/年2回決算型」(販売は野村証券)計4本の自己設定(1月17日)を予定している。グローバルで高い競争力を持つ日本企業の株式=日本ブランド株に投資する。野村アセットの2種のファンド(計5本)の募集上限額は計1004億円。
市場関係者によると、野村アセットの単位型日本株投信は「これまでリターンリバーサル投資で短期間に2割超のパフォーマンスを上げて繰上償還になるケースなど多く、個人投資家の短期投資志向をうまくとらえてきた。繰上償還を経験したことのある個人をはじめ、人気化する可能性が高い」といった指摘があるほか、原資産が日本株の通貨選択型については「人気の通貨選択型だけに、設定後に分配がスタートすると、金額次第では結構な資金流入が見込めるファンドになるのでは」(米系投信)との声もあり、いずれの日本株ファンドも市場の注目を集めている。
<機関投資家らの日本株に対する見方が強気に> 続く...
インテルからアップルに交代へ
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