2011.1.12 05:00
北京の街角で飲み物を売るスタンド。利益至上主義に傾く中国で「食の安全」が揺らいでいる【拡大】
最近は粉を混ぜ合わせた混合タイプも登場している。成分は、二酸化ケイ素、安定剤、ココアバター、リン酸二水素カリウム、乳清、ブドウ糖、香料など。もちろん牛乳も果汁も含まれていない。
この即席フルーツ味ミルクティーの材料はきわめて廉価だ。3種の粉は1キロ入りでいずれも13元。ゼリーは1000粒入りが1袋5元。既製品の混合タイプは1キロ入り19元と割高だが、3種を個別に仕入れて混合すれば、39元でミルクティー150~200杯分になる。
カップ、ふた、ストローの仕入れ価格は、合わせてわずか0.15元。つまり、ゼリー入りフルーツ味ミルクティー1杯は、材料費と容器代を合わせても約0.4元で、利益率は400~500%となる。
◆基準が未整備
問題は中国ではミルクティーに関する基準が未整備であることだ。含まれる添加物の量に関して、基準値はあるが、食品安全上の管理監督システムが皆無。
材料となる茶粉、乳清、フルーツ粉、ゼリー粒はいずれも十数種類の食品添加物や乳清を含んでいるが、保健衛生の専門家によると、乳清を長期にわたり摂取すると動脈硬化、心臓病、脳疾患などを誘発する危険性が増すという。フルーツ粉も成分は色素と香料であり、過度に摂取すれば肝臓や腎臓などに影響を与える。街頭のミルクティーは食品添加物が基準値を超えている可能性が高く、安価なものには手を出さない方がよさそうだ。(合肥晩報=中国新聞社)