菅直人首相は5日、1月下旬の通常国会召集前に内閣改造・民主党役員人事を断行する決意を表明した。岡田克也民主党幹事長、仙谷由人官房長官と都内で会談し政府、民主党内の調整を本格化させた。焦点となる問責決議された仙谷氏、馬淵澄夫国土交通相について、首相は交代させる方向で検討している。時期は13日の民主党大会直後も視野に今月下旬の召集までに、小沢一郎元代表の国会招致問題など全体状況を考慮して判断する。
首相は5日夜のテレビ朝日番組で「通常国会までに、政策を実現する上で最も力を発揮できる党と内閣の態勢をしっかり整備したい」と述べた。「野党に審議に出てもらって政策を決める国会にしたい」とも強調した。
これに先立ち、首相は小沢氏が強制起訴された場合には議員辞職するよう4日の記者会見で求めたことについては「全く(発言に)変わりない」と強調した。6日にも岡田氏と、小沢氏の衆院政治倫理審査会招致をめぐり詰めの協議を行う見通しだ。仙谷氏は5日の記者会見で、小沢氏が強制起訴されれば自発的に離党すべきだとの認識を示した。
改造人事では仙谷氏の後任の官房長官に北沢俊美防衛相や、旧民社党系の川端達夫衆院議院運営委員長らの起用が取りざたされている。北沢氏は5日の会見で、仙谷氏交代を含む改造を「一つの考え方だ」とし、閣僚と民主党役員の入れ替えもあり得るとの見方を示した。
民主党内では仙谷氏を代表代行など党の要職で処遇する案が出ているほか、仙谷、岡田両氏のポスト入れ替え論も浮上。首相は仙谷氏が兼務する法相の後任も検討しているが、大幅改造にはならないとの見方が強い。
改造・党人事に関し、岡田氏は5日夜のインターネット動画番組で「幹事長を引き受けた以上は徹底的にやりたい」と述べ、現職にとどまりたいとの考えを示した。
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