野田佳彦財務相は5日、財務省職員への年頭訓示で、消費税を含む税制抜本改革について、「政治生命をかけて実現したい」と強い決意を語った。菅直人首相は抜本改革案を6月をめどにまとめる方針を示しており、野田財務相は「心を一つにして大きな難題に取り組み、歴史に残る仕事をしよう」と職員に呼びかけた。
昨年12月にまとまった11年度政府予算案は、2年連続で新規国債発行額が税収を上回る異常事態。さらに、12年度以降も社会保障費が1兆円以上増加する見通しで、今後も厳しい予算編成を強いられるのは必至。このため、11年度中に消費税増税に道筋をつけることに「不退転の決意」(野田財務相)を示した形だ。
野田財務相は、菅首相が財務相時代に「平日にデートのできる財務省」を掲げて省内改革に取り組んだエピソードを引き合いに、「ちょっとそれは置いておいてもらって、今年はとことん働いてもらいたい」と職員を激励した。
毎日新聞 2011年1月6日 東京朝刊