菅直人首相は6日午前、民主党の岡田克也幹事長、輿石東参院議員会長、鉢呂吉雄国対委員長らと首相官邸で会談し、内閣改造と党役員人事に向けた検討を本格化させた。首相は1月下旬召集の通常国会前に人事を刷新し、「ねじれ国会」を乗り切る態勢を強化する考え。国会召集日や小沢一郎元代表の衆院政治倫理審査会(政倫審)の招致議決の時期などを協議したが、結論は出なかった。
首相は会談で「しっかりした議論ができるような立ち上がりを作ってほしい」と述べ、通常国会を乗り切るために小沢氏の「政治とカネ」問題の決着や人事刷新を検討する考えを示した。13日の党大会以降の党役員人事と内閣改造を検討している。通常国会は態勢を整えるために月末の28日召集案が浮上しているが、野党の出方を見極めるため最終決定は見送った。
会談では岡田氏が、12日に両院議員総会を開くことを提案、開催する方向で調整することになった。小沢氏への対応をめぐって党内のあつれきが深まっているため、党大会前に執行部の方針を説明し、所属議員の理解を求める狙いがあるとみられる。
内閣改造では、参院が問責決議を可決した仙谷由人官房長官の処遇が焦点。自民、公明両党は続投すれば審議に応じない方針で、民主党内にも交代論がある。これに対し仙谷氏は6日午前の記者会見で「問責に法的効力はない」と反論。参院幹部も「改造と言ってもリフォームしすぎると壊れる」と慎重姿勢を示した。
鉢呂氏は会談後に政倫審について「小沢氏が自ら説明をしたいと述べた。本人の申し出で行うのが一番良い」と語り、小沢氏の決断に期待を示した。【吉永康朗、影山哲也】
毎日新聞 2011年1月6日 東京夕刊