民主党の鉢呂吉雄国対委員長は12日午前、自民党の逢沢一郎国対委員長と会談し、政府が通常国会の召集日を伝達する衆院議院運営委員会の理事会を14日に開催するよう申し入れた。召集日は10日前の伝達が慣例で、国会は24日召集が柱となる。国会開会までの日数が短くなり、菅直人首相が通常国会前に実施する意向の内閣改造は小幅にとどまるとの観測が出ている。ただ小幅改造で参院が問責決議した仙谷由人官房長官が続投すれば野党の反発は必至で、召集日が遅れる可能性も残る。首相は12日午後の両院議員総会や13日の党大会の情勢を踏まえ、仙谷氏の進退も含めて最終判断する方針だ。【大場伸也、横田愛】
菅首相は12日午前、首相官邸で石井一参院議員と会談し「少し後に余裕を持ちたいので早く(開会)したい」と語り、28日で検討していた召集を早める意向を示した。
菅首相は通常国会前に内閣改造、党役員人事を実施する考え。民主党国対幹部は「官邸は24日召集の意向だ」と語った。しかし、鉢呂氏は「野党が出席できる条件整備をするよう内閣に伝えたい」と語り、古川元久官房副長官も12日午前の記者会見で「議運は14日と申し入れたことは承知しているが、開会日を決定したかは承知していない」と述べた。
召集日は議運で官房長官が伝達するのが通例。鉢呂氏の打診に対し、自民、公明両党は「問責を受けた仙谷氏が政府を代表して来る理事会には協力できない」(逢沢氏)と反発した。
政府・民主党内には「召集日は官房副長官の代理伝達も可能」との声もある。首相は12日午前、首相官邸で岡田克也幹事長と会談し、内閣改造や国会日程に関し意見交換した。その後に会談した中野寛成元衆院副議長には内閣改造について「問責を受けたという理由でなく、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)などを前向きにやれる新しい態勢を作りたい」と語った。
仙谷氏を巡っては、菅首相と距離を置く議員の間で更迭論が強まっている。西岡武夫参院議長が更迭を要求したほか、中間派の旧民社系でも「小沢一郎元代表の『政治とカネ』の問題と仙谷氏更迭はセットだ。一方だけ先行することはできない」(ベテラン議員)との声がある。また、首相に近い議員の中にも仙谷氏を党の要職に付けることを条件に、官房長官から退くことを容認する意見が出ている。
毎日新聞 2011年1月12日 東京夕刊