「大相撲初場所2日目」(10日、両国国技館)
NHK生中継で仰天提言。ゲスト出演した、好角家(こうかくか)でアーティストのデーモン閣下が、中継中のコーナーで来年の初場所で期待する「夢番付」を発表。昨年、野球賭博への関与で解雇された元琴光喜の田宮啓司氏(34)の復帰を熱望。入門当初の琴田宮のしこ名を書き込む一幕があった。土俵では横綱白鵬が先場所、優勝決定戦で退けた豊ノ島に快勝した。
◇ ◇
デーモン閣下が取り出した幕内上位の夢番付は、東前頭筆頭が空白になっていた。手元のカードにマジックを走らせると、隣に座る音羽山親方(元大関貴ノ浪)が苦笑いした。閣下はカードを番付にはりつけ、「琴田宮!誰それ!」と自分に突っ込みを入れた。
公共放送の相撲生中継で、解雇された人物の復帰を求める意見が放送された前代未聞の瞬間だった。琴田宮の名を入れることを聞かされたNHKは当初「それは用意できません」と反対したという。閣下が「じゃあ、デーモンを出す意味がない!!」と突っぱね、閣下が放送中に琴田宮と書き入れる形でまとまった。
あくまで「夢番付で私見」と前置きした上で、閣下は「琴光喜には反省した上で、夏か秋に十両の下あたりから復帰してもらいたい。どうやって立ち直るのかを見てみたい。そういう思いもあった」と復帰を切望。「賛否両論があることも分かっている」と覚悟した上での“番付編成”だったことも明かした。
司会のアナウンサーは「次に行きましょう」と、さっさと進行するしかなかった。名誉横綱として魁皇を挙げるなど、奇抜なアイデアを披露した閣下。外部委員などの形で協会再生への協力に「参加して意味のあるものだったら」と前向きだったが、「まあ、悪魔なので。フハハハハ」と、高笑いで締めくくった。