小笠原、川上＆長嶋に続く！スピード３位で２０００安打達成だ！

ノックの際、視界に入った報道陣にジェスチャーで移動を要請した小笠原

　巨人の小笠原道大内野手（３７）が１０日、東京・よみうりランド内のジャイアンツ球場で本格的に始動した。あと１１本に迫った通算２０００安打について「１試合でも早くクリアしたい」と早期達成を宣言。出場１３試合までに大台に達すれば、張本勲の１７３３試合を抜き川上哲治、長嶋茂雄に続く日本プロ野球の歴代３位のスピード記録となる。今季のテーマは「新たな挑戦」。ガッツ伝説２０１１年バージョンが、日本一奪回へ動き出した。

　打撃の神様、そしてミスタープロ野球に続くスピード記録は、目前に迫っている。昨シーズンまで積み上げた通算安打は１９８９本。小笠原は包み隠すことなく、真っすぐに自分の気持ちを表した。「もちろん、チームが勝つことが大前提。でも、ここまで来ると（２０００安打を）意識しないという方が、うそになる。１本でも勝つために打って、早いうちにクリアしたい」

自主トレをスタート、実松（右）と一緒にノックを受けた小笠原

　新たな挑戦の一年が始まった。沢村ら新人たちのキャッチボールを横目に、実松と２人でランニングすることから公開練習がスタート。年明けは自宅周辺を散歩する程度だったという。「芝の上を走るのは（今年）初めて。気温が少し低かったけど、気持ちよく体を動かすことができた」。気温は約５度。冷たい風が吹きつけたが、心に曇りはない。２０００安打と日本一奪回、そしてけがなく全試合出場を果たすこと。進むべき道筋はこれしかないからだ。

　プロ１４年間で１７１９試合に出場。今季、１３試合以内で１１安打を放てば、１７３３試合で２０００安打を達成した張本勲のペースを上回る。１６４６試合の川上哲治、１７０８試合の長嶋茂雄に次ぐ、日本プロ野球歴代３位の名誉ある数字だ。

　「張本さん？　自分なんかが、語れるような人ではない。偉大な方。もし、そう（３位に）なれば、自分の中で財産になる。がんばりますが、そんな簡単なことではありません」。日本最多、通算３０８５安打の張本氏の名前を引き合いに出されると、即座に球界の先輩へのリスペクトを口にした。

　だが、その簡単ではないことを、あえて意識するのが小笠原流だ。「自分がレベルアップすると思うし、それに挑戦していきたい」

　２０００安打を早く達成したいという気持ちの裏には、日本一奪回への強い思いがある。「達成したその先に大きな今年一年の目標がある。２０００本という数字を大きなステップにしたい」と常に先を見据える。偉業達成が、チームのスタートダッシュに好影響を及ぼすのは間違いない。小笠原の金字塔は、チームの勝利のために打ち立てられる。

　◆イチローは１４６５試合目　日米合算で通算２０００安打を超えている日本人選手は３人。３５２２安打のイチローは１４６５試合目で到達。２４９９安打の松井秀喜は１８２２試合目、２０４８安打の松井稼頭央は１７２０試合目で大台に乗せた。ちなみにイチローはメジャー単独２０００安打を１４０２試合で達成している。