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宮島に旧海軍の防空施設跡 '11/1/11

 世界遺産厳島神社がある宮島(廿日市市)に、太平洋戦争中、旧日本海軍が築造した防空施設跡が残っている。同市に記録はないが、防衛省防衛研究所(東京・中目黒)が保管する「呉海軍警備隊戦時日誌」に記述の「厳島聴測照射所」とみられることが、郷土史家らの調査で分かった。

 同照射所は呉軍港防衛のため敵機の探知を任務とし、指揮所や探照灯(サーチライト)、兵舎などを備えたらしい。施設跡は宮島の御床(みとこ)山南西部、標高230メートル前後の尾根筋に点在。指揮所とみられる平屋建物は、れんが積みモルタル仕上げの約80平方メートルで、扉や窓は失われ内壁も一部崩れていた。

 建物を挟んで離れた高い場所にはコンクリート台座(直径1メートル余り)が2基あり、聴音機や探照灯を設置していたらしい。掘削した平地に、かまどや流し台を伴った兵舎跡らしい数棟の建物基礎が確認された。貯水槽も2基ある。

 宮島の近代戦争遺跡には日露戦争当時の砲台跡があるが、1941(昭和16)年に始まった太平洋戦争当時の旧軍施設跡はほとんど知られていない。現地は厳島神社から南西へ約6・5キロの山中で、整備された登山道はない。これまで一部の登山愛好者や郷土史家に知られるだけだった。

 郷土史家藤下憲明さん(67)=廿日市市=によると、「呉海軍警備隊戦時日誌」などに「聴測照射所」「特設見張所」と記され、所収の地図中、島南西部に○印があった。42(昭和17)年2月に建設。広島湾や芸南海域の島々や、沿岸の山に配置された同種の施設と連携し、敵機に備えたとみられる。

【写真説明】<上>「厳島聴測照射所」指揮所とみられる建物内部。窓は失われ、内壁が一部剥落していた(昨年12月16日、撮影・宮原滋)
<下>宮島南西の尾根に残る旧海軍の「厳島聴測照射所」跡(昨年12月9日、撮影・山本誉)


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