阪神・金本知憲外野手(42)が10日、読売テレビの報道情報番組『かんさい情報ネットten!』にスタジオ生出演。街頭ファンからの質問に答える形で、今季限りで「引退」する可能性を初めて明かした。自身の進退について「肩が治らなければ、やめざるを得ない」と語った。ラストイヤーを覚悟しながら、鉄人が最後の復活にかける。
◇ ◇
金本が初めて「引退」を語った。夕方の情報番組に生出演したアニキは濃紺スーツに身を包み、穏やかな表情で街頭ファンの質問を受け止めた。
今季ダメなら引退を考えるか?中年男性から進退を直撃され、自らの言葉で態度を明確にした。
「肩が治らなくて、去年のような感じだったら、やめざるを得ないでしょう。引退の2文字?それはもう、ここ(右肩)次第ですよね。治る見込みがなくて、成績も出せなければ(引退は)当然ですし、成績が前半悪くても後半に盛り返して、治る見込みがあるなら、もう1年やってみたいと思うかもしれない…」
これまでも引き際をほのめかしたことはある。一昨年死去した広島時代の恩師・三村敏之氏の葬儀では「僕の野球人生もそう長くはない」と語り、昨年の元日は「今年ダメなら先が見えてくる」と話すなど、ここ1、2年はオフに「引退」と向き合う発言で覚悟をにじませてきた。
だが今回ほど突っ込んだ発言は初めてだろう。公共の電波を通じて、右肩の現状を肉声でお茶の間に届け、今季限りでユニホームを脱ぐ可能性に触れた。金本はファンからの“直球勝負”に逃げることはなかった。
「右肩?順調ではないですね。かと言って特別先が見えないわけでもない。いけるんじゃないかというのもありますし、2カ月後、3カ月後にどうなっているか、ちょっと分からないところがある。1年間通してできるかということもある。覚悟のシーズン?そうだと思います」
広島で自主トレを公開した今月5日には「肩の状態がなかなか上がってこない」「悲壮感はある」と苦しい胸の内を吐露した。かと思えば翌日にはいきなりフルスイングでティー打撃を始め、さらに7日に送球動作を開始するなど、一気に光が差し込んだようにも見えた。「先が読めない」と飾らず本心を吐き出したのも金本らしかった。
番組の最後に今季の抱負をフリップにしたためた。「無理せず、全試合スタメン」。無理をしない‐この意味は誤解を生むかもしれない。金本はしっかり注釈をつけた。
「我慢してギリギリ出るというスタメンじゃなしに、普通に楽勝で出るという意味」
中途半端を嫌う金本らしい。裏を返せば、今季「楽勝」でなければ本気で「引退」を覚悟する。
【金本と一問一答】星野楽天強くなる/金本、右肩深刻!状態「上がってこない」/金本、弱音発言から一転フルスイング/金本単独キャンプも…あくまで開幕照準/中田、アニキ効果ッス!驚異の肉体改造/金本、44歳でも現役!「暴れたい」