こう疑問に思っている人は少なくないのではないだろうか?
はてなブックマークではその答えを出しているかのような記事がいくらか人気を集めているが、どうにも納得できなかった。
例えば、「GREEで検索、無料です」と謳うGREEの釣りゲームでは、数回使うだけで折れる釣竿アイテムが2,100円。価格設定が理不尽なこと極まりない。まともな判断力があれば、こんな釣竿アイテムは絶対に購入しないだろう。いや、そもそもこんな不条理な設定になっているゲーム、最初からやる気もしないかも知れない。
こんなアイテムを購入しているのはあのときお婆ちゃんの手を取って店に入ってきた少年のように数もろくに数えられない少年ばかりなんじゃないかしらんと思ってしまう。親は無料だと思って携帯ゲームを子供にやらせてたら、二桁の数字すら数えられない子供が知らない間にアイテムを購入する。そして、翌月とその翌月にはとても高額な請求書がキャリアから送られてくるが、親は泣き寝入りするしかない。
ホントにこれが合法なの?"合法"でいいの?と思ってしまう。いやまあ、合法なんだけどさ…。
これはよく見かける視点だ。
子供が無料という言葉に釣られ、騙されて高額な課金アイテムを購入している、携帯の課金システムを悪用した非合法スレスレの商法だという視点。
果たして本当にそうなのだろうか?携帯ゲーム市場は今や1000億円規模である、本当にその巨額の利益が判断力のない子供によってもたされたものだというのだろうか?
「被害者となる子供」は時々ニュースに出てくることもある。そうしたニュースを流し見て、深く調べないまま「やはり子供を利用して利益を上げているのか」と納得している人も多いだろう。だが基本無料ゲームの課金ユーザー層が20代~30代であることや、RMT詐欺事件などで30代主婦などの被害者が出てくるなどこの仮定に反するニュースも多い。自説と相容れないために認識することを拒んでしまっていないだろうか?
釣りゲームにおいても、みんなが釣れるようでは面白くありません。
すぐに折れてしまう釣竿でゲームをする無料ユーザがいるからこそ、よく釣れる折れない釣竿の価値が上がり、有料ユーザとして「お金を払おう」という気を起こさせるわけです。
直接の売上こそ有料会員からもたらされるものですが、有料会員が楽しくゲームが出来るのは、無料ユーザのおかげなのです。
無料の携帯ソーシャルゲームが成り立つ訳 (さくらインターネット創業日記)
あくまで釣りゲームの面白さは自分が釣り上げたという達成感にあるはずで、無料でそれを感じられないならば課金アイテムを購入しようと思うより、やめてしまう方が早い。
対戦ゲームならばまだ話は分かる。しかし対戦ゲームも有料ユーザのほうが圧倒的に有利ならばわざわざ無料で続けようという人はいないだろう。これは携帯ゲームのヒット作「怪盗ロワイヤル」における時限金庫事件を引き合いにだせばすぐに分かる。怪盗ロワイヤルはお宝を盗みあうゲームだが、あるとき課金アイテム「時限金庫」が実装された。これを購入すれば3時間の間絶対に盗まれなくなり、お宝の盗み合いというコンセプトが崩れ、課金ユーザが圧倒的に有利になるのだ。このアップデートには非難が集中したため、実装後数ヶ月で時限金庫は販売中止に追い込まれた。
「無料ユーザを足蹴にして、有料ユーザが気持ちよく遊べる」のではなく、「無料ユーザも気持ちよく遊べ、有料ユーザはより気持ちよく遊べる」ことが基本無料ゲームにおいて重要なのだ。
無料ユーザも気持ちよく遊べるならば、有料ユーザがお金を出す動機はなくなってしまう。なぜユーザは3000円もする釣竿を購入するのだろうか?
実のところ面倒なので実際に釣竿が3000円するかどうか調べてないのだが、実はこの釣竿はゲーム内通貨でも購入できることは調べた。
つまり課金者の特権ではなく、無課金プレイヤーでも時間をかけてゲーム内通貨を集めれば使うことができるのだ。プレイ時間を短縮したいユーザが任意で現金を出すことでゲームを有利に進める。この発想は家庭用RPGでいえばテイルズオブヴェスペリアがDLCで採用していたものだ。
また高額な釣竿が必ずしもゲーム進行上必要でない可能性もある。
例えば結婚指輪に15万円のものもあれば100万円のものもあり10億円のものもあるように、目的を果たす上で必ずしも高額なものが必要となるわけではないが、高額な選択肢も用意されているという可能性だ。ゲームに例えるならば500円で販売されているハイポーションだけでもクリアは可能だが、1000円のエクスポーション、2000円のエリクサーも用意してユーザの懐事情にあわせて難易度を下げたりプレイ時間を短縮できるという発想だ。
しかしこう考えるとさらに疑問が湧く。安い釣竿でも十分なら誰も3000円もする釣竿を使おうとは思わないだろう。それでは利益が上がらないのではないか?
GREEの釣りゲームではある程度ゲームが進行するとプレイヤー同士でチームを結成することができる。そしてチーム単位で大会に出場し、釣果ランキングで上位を取ることができればGREEで利用できるプレミアムなアバターを入手することができるのだ。
これこそが課金を成立させる上で最大の肝だと思われる。
チームには絆レベルなどの要素があり、釣果を上げるほどチームに経験値を貢献することができる。またチームごとに釣果ポイントのランキングがあり常に競い合う状況にある。
無料で暇な時間に遊ぶだけのプレイヤーでも貢献できないわけではないが、課金アイテムを惜しまず高い釣果を上げるプレイヤーはチームコミュニティの中で重宝され、必要とされる存在になる。課金することが正しい、素晴らしいという価値観が作られる。
仲間、絆と言えば聞こえがいいが連帯責任という捉え方をすることもできる。
真偽は不明だが、FF11ではLS(チーム)を強化するために社会人プレイヤーに仕事をやめてくれと迫ったユーザーがいたらしい。つまり従来のオンラインゲーム、特にMMORPGにおいては「プレイ時間の長いユーザー」がコミュニティの中で重宝されてきた。そもそもFF11は効率のために途中抜けが許されにくく、1日に3~5時間確保できないならば迷惑なプレイヤーだというレッテルすら貼られるほどだった。それが基本無料ゲームへ移行することで「どれだけ運営にお金を貢げるか」へとシフトしていったのだろう。
それを加速させるのが大会の存在である。従来オンラインゲームを理解できるならば、いわゆるハイレベルノートリアスモンスター、攻城戦に相当するものだと考えていい。
プレイヤー同士が競い合う大会では無料アイテムを使うだけでは道具が不足し、到底勝ち抜くことはできない。より釣果を得られる(普通ならば必要のない)高額な課金アイテムにも手を出さなくてはならないだろう。チームメンバーが高額なアイテムに手を出す中、自分もチームに貢献しようと高額なアイテムに手を出す連鎖が生まれる。
こうして一部の高い客単価のプレイヤーがその数倍のプレイヤーを支える構図が作られるのだ。
この商法がやり口として正しいのかは分からないが、少なくとも「無知な子供を騙して利益を上げているのだ」「無料ユーザを蹴散らすのが課金アイテム購入の理由なのだ」というよりもこちらの方が納得いくのではないだろうか?
そうして数千円、数万円をつぎ込んで大会を勝ち抜いたチームはGREEのプレミアムなアバターを入手したのであった。
アバターアイテムというのは仮想キャラクターの着せ替えのアイテムで、多くの基本無料ゲームプラットフォーム(モバゲー、GREE、ハンゲームなどなど)がこれを採用している。アバターアイテム一つに数千円も支払うのが妥当だと思えないかもしれないが、特に女性プレイヤーを中心に仮想のキャラクターの着せ替えに数万円をつぎ込んでいるプレイヤーが多いのが事実である。
またアバターアイテムは細分化されており、例えば「髪型」「服」単品なら数百円程度だが、トータルコーディネートすると数千円になるといった料金体系になっていることが多い。初めは中学生、高校生でも手の届く範囲から、コーディーネートに拘るほど必要な金額を徐々に増やし、課金アイテム購入への心理的な障壁を崩してく仕組みがまずGREE自体にあり、GREEで着飾ることを覚えたプレイヤーがよりレアなアバターのために基本無料ゲームに手を出し、高額な課金アイテムをつぎ込んでいくのだろう。意中のプレイヤーへのプレゼントのためにつぎ込んでいくというケースもあるのかもしれない。
Venture Now に掲載されていた「ソーシャルメディア利用動向、女性ユーザーが積極的。GREE課金は男性の倍」によると、このプラットフォーム会社の課金ユーザ比率は男性の11.8%、女性は21.2%で、平均すると16.8%しか課金されていません。
(女性比率が多いというところも気になりますが、今回は華麗にスルーします)
無料の携帯ソーシャルゲームが成り立つ訳 (さくらインターネット創業日記)
なぜ女性比率が多いのか、この記事では触れられずにスルーされているが、これで疑問は氷解したと思う。
ここで重要なのはアバターの持つ価値はプラットフォームの持つ価値に比例するということだ。GREEのアバターアイテムだからこそ数万円の出費であっても払う価値がある、もしこれがはてなのアバターだとか非モテSNSのアバターだったならば1銭も出すはずがない。
基本無料ゲームの争いとはこのプラットフォームの争いに直結している。現状モバゲー、GREEの2社が事実上覇権を握っており、新規参入ではアバターアイテムに価値を付与することはできない。
これから新規参入しようとしても、これら大手プラットフォームに参画して利益の大半をマージンとして吸い上げられて、残り汁で生き残るしかないと思われる。
或いはプラットフォームを牽引するほどの利益を叩き出す大ヒットコンテンツが作れるならば話は別だが、アイデアの上でも既に半枯渇状態で斬新でマスを惹き付けるようなものがこれから出てくるとは思えない。GREEが既存家庭用ゲームの移植に頼っているのが何よりもの証左だし、既存のヒットコンテンツである「怪盗ロワイヤル」にしてもその価値を最大化・維持するために莫大な費用をかけ数年間に渡り連日雑誌やTVにコマーシャルを打っているのだ。容易にヒットコンテンツが作れ利益を上げられるならそんな真似をする理由はない。
特に女性プレイヤーを中心に仮想のキャラクターの着せ替えに数万円をつぎ込んでいるプレイヤーが多いのが事実である。 のソースは? 課金している人も大多数は千円以下の小額しか...
なぜ金を払うのか? 数年間に渡り連日雑誌やTVにコマーシャルを打っている ジャップはテレビ大好きだから。 テレビでやってる=真
あのコマーシャルは宣伝効果もあるけど テレビ局にお金納めますからちょっとくらいのトラブルなら見逃してくださいね。叩かないでくださいね。 っていう上納金みたいなものじゃない...
新規参入媒体の中の人としては、この増田見解は論じられている点において多分に真だなと思う。そしてそれが分かりきっているが故に、その点で苦労しまくってます。てか、マジしん...
もう外野がどうこう言うこういう記事は飽きたよ。実際に金払ってる奴の話聞きたいから取材でもしてくれよ。
むしろあの界隈は「課金厨」的な価値観があるように思えるけど。 課金する奴=課金しないとクリア出来ない位ゲームが下手な奴=負け組、課金=恥ずかしいこと、というね。 若いユー...
10~25歳のイケメン・可愛い子が顔出しする 一番目立てる。ゲームが弱かろうがアバターがダサかろうが最強。大量の足跡と友希申請が来る。 10~25歳の男が筆まめになる 出せる顔じゃな...
大多数はただの暇つぶしソロプレイorリアル友人同士で一緒に遊ぶ事であって 「見ず知らずの不特定多数にちやほやされたい」人なんて極一部だと思うが
アクセスの頻度、サービスへの貢献度で言うと、大多数が出会い厨だよ。
ああいうのって薄利多売な戦略取ってるんだと思ってたが。 一番多いのは無料ユーザーで、有料ユーザーも精々数百円しか出さない客が大多数(と言う統計は実際に出ていたはず) でも...
んなわけねえだろ。モバゲーのARPUは大体500円くらいで、課金率は5%程度。 つまり、1万円払う一人が払わない20人位を支えているって格好。 1万円がはした金かどうかは諸君の判断に任...
元増田の Venture Now に掲載されていた「ソーシャルメディア利用動向、女性ユーザーが積極的。GREE課金は男性の倍」によると、このプラットフォーム会社の課金ユーザ比率は男性の11.8%...
こういう何でも線形で考えちゃう人はもっと勉強するべきだと思う。マジで。
暇つぶしソロプレイorリアル友人同士で一緒に遊ぶ この人たちはmixiアプリ。 有料ユーザーも精々数百円しか出さない客が大多数 どこにそんなこと書いてあった? モバゲーや...
実際に使ってみた結果そんなの見た事が無いというのが実感なんだが、 (と言うか、恐らく本当に一番多いのは登録だけして放置している幽霊会員かと) 増田が出会い厨だからそういう...
ブサメンだがイイ車持ってるからそれなりに女が寄ってくるみたいな構造。 車目当てで女が寄って来るなんて今時あるか? 発想が物凄くオヤジくさいんだけど、オヤジ週刊誌で「...