みちびき:電波信号一部暗号化も 「なりすまし」防止で

2010年11月12日 15時0分 更新:11月12日 16時52分

 測位の精度向上を目指す準天頂衛星「みちびき」について、政府は12日、測位の電波信号の一部を暗号化する検討を始めた。開発計画を話し合う8府省庁の政務官級会合で明らかにした。自衛隊や警察などの政府機関専用にするほか、暗号化した電波を有料で商業利用に提供することも検討し、11年3月までに具体案をまとめる。

 みちびきはカーナビなどに使われている米の全地球測位システム(GPS)を補うため、9月に1号機が打ち上げられた。だが2基目以降の開発を含む全体計画は未定だ。

 暗号化は、誤った情報を混入させる「なりすまし」などの妨害を防ぐのが目的。GPSにも民間人が使えない高精度の軍用電波があるほか、欧州の測位衛星は暗号電波の有料化を検討中で、これらを参考にする。

 みちびきは誰でも無料で使える前提で構想されたが、売り物の高精度が一部の利用に限られる可能性が出てきた。

 また同日の会合では、「みちびきは最低3基必要」としてきた従来方針を見直し、「24時間運用には4基以上が必要」と説明。最大でみちびき6基と静止衛星3基を組み合わせ「日本版GPS」の構築も検討するとした。数を増やして受信地域を拡大し、東南アジアや太平洋諸国への政府開発援助(ODA)に活用する案もある。【山田大輔】

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