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振り込め詐欺が一転増加傾向、目立つ「直接手渡し」/神奈川

2011年1月6日

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 県内で2010年に認知された振り込め詐欺の件数が779件に上り、2年ぶりに増加に転じたことが5日、県警のまとめで分かった。被害総額も約11億1800万円と、約3億700万円増加。手口としては、現金やキャッシュカードを犯行グループに直接手渡す「手渡し詐欺」の増加が顕著だったという。

 県警によると、10年の認知件数は、件数、被害総額とも統計を取り始めた04年以降で最少だった09年に比べて225件増えた。約1カ月半にわたってだまされ続け、約2400万円を取られた事件もあった。

 種別では、親族などを装う「おれおれ詐欺」が大半で752件。次に「架空請求詐欺」が17件、「融資保証金詐欺」が10件と続く。「還付金詐欺」はなかった。おれおれ詐欺の手口では、手渡し詐欺が392件と09年から240件増えた。

 特徴は「風邪をひいて喉を痛めた」「携帯電話の番号が変わった」などとの事前電話があったり、実際の息子の名前をかたったりするケース。職場や同窓会の名簿などを悪用している可能性があるという。「口座をプレミアム会員に変えると利息が高い」とかたり暗証番号を聞き出してカードをだまし取るという新たな手口もみられた。一方で、「だまされたふり作戦」による摘発は27件(09年比14件増)、54人(35人)といずれも増加。ただ被害者から現金などを受け取る「受け子」らの摘発にとどまる事件もあり、全容解明が難しい傾向も浮き彫りになっている。

 県警は、市民に注意喚起を行うコールセンターを開設するなどの対策を取っている。「被害者は振り込め詐欺を知っていたが、だまされたという人が多い。自分のところにも詐欺の電話がかかってくるという気持ちを持ってほしい」と呼び掛けている。

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