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福岡・太宰府の車衝突転落:現場、ブレーキ跡なし 免許保有者、アルコール検出されず

 福岡県太宰府市の県道で乗用車と衝突したワゴン車が池に転落して計7人が死亡した事故で、衝突現場にブレーキ跡がなかったことが捜査関係者への取材で分かった。福岡県警筑紫野署は現場や事故車両の破損状況から、ワゴン車の右側面と乗用車の左前部が接触する事故が起きた後、ワゴン車が左前方の池に突っ込んだとみている。運転免許がある生存者1人と死者4人からアルコールは検出されていないという。

 事故は24日午後11時40分ごろ、太宰府市向佐野4の県道で発生。ワゴン車は乗用車と接触後、左前方の転落防止柵をなぎ倒して、池(水深2・5メートル)に転落した。乗用車は池と車道の間の歩道に乗り上げて停車した。

 実況見分では、現場にブレーキ跡がないことなどが確認された。ワゴン車は衝突し、減速できないまま左前方の池に転落したとみられる。ワゴン車の生存者は「交代で運転していた」と証言しているが、事故当時に誰が運転していたかは特定できていないという。【関谷俊介、川名壮志】

 ◇全校集会で冥福祈る--八女農業高

 3人の女子生徒が通っていた同県八女市の県立八女農業高校は27日、緊急の全校集会を開き、生徒に事故について説明した。集会は午前9時から約30分間開かれ、出席した約420人の生徒全員で、亡くなった井手綾美さん(17)▽石原瞳さん(18)▽末吉泰子さん(18)=いずれも3年=の冥福を祈り、黙とうをささげた。

 同校によると、集会では、学校側が経過を説明したあと、高山謙一校長(58)が亡くなった生徒の家を25日に訪問したことを報告。「自らの命を短くするような状況に追い込まないようにしよう。他人の命を短くするようなことはしてはならないことを肝に銘じて一生懸命生きていこう」と呼び掛け、涙を流す生徒もいたという。

 集会後、各クラスでホームルームがあり、3人の生徒が所属した生活科学科では担任の女性教諭(53)が「亡くなった3人は君たちの心の中に生きている。記憶にとどめて思い出そう」と語り掛けた。

 同校は始業式の1月11日以降、生徒の状況を見ながら臨床心理士による心のケアにあたる。【松尾雅也】

毎日新聞 2010年12月27日 西部夕刊

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